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恍惚なる治療[改訂版]
第6章 男性同士
席に着いて味噌汁を飲んでみると、出汁の香りが広がり、俺好みの濃さで美味い。
「どれも美味いです。普段からこんなに作ってるんですか?」
「いえ、たまたまですよ。休日なんで、ちょっと良いものを食べようと思って購入していたんですが、佐伯さんにご馳走出来て良かったです。それにお口に合ったようで…」
オフだからか、少し幼く見えるからか、砕けた笑顔がいつもより眩しくて、思わず見入ってしまった。
柳川先生に気付かれる前に目を伏せ、味噌汁を啜った。
朝食を終えて後片付けをしている時に、先生からお誘いが…
「佐伯さん、今日お時間ありますか?予定って入ってます?」
「時間…大丈夫ですよ。約束も特に無いですが…」
自室に設置したペットカメラを確認すると、とら丸はソファに寝転んで寛いでいた。
とら丸の世話やご飯の補充は三雲さんのご両親に会う前に済ませてきたし、危ない物も置いてこなかったので夕方までは大丈夫だろう。
「お時間があるなら、少し出掛けませんか?佐伯さんの治療も次の段階に行きたいので、外に出ましょう」
「…治療になるんですか?」