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毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる
第5章 解毒①
 小屋の中は多少荒れてはいたが、当時使っていた生活用品がそのまま残っていた。

 一見ボロ屋に見えるが、作りはしっかりしている。

(一夜過ごすには問題ないだろう)

 レフはそう判断するとマントを床に敷き、その上に優しくリースを横たえた。そして革袋の水で布を濡らすと、泥と煤で汚れた彼女の顔をそっと拭った。

 馬に揺られ、薬の効果で朦朧としつつあったリースの意識が、冷たさで呼び戻される。

「レフ……、すまない……」

「いいえ。今日は、ここで休みます。快適とは言い難いですが……」

「……気にするな。慣れている」

 そう言ってリースは弱々しく微笑んだ。

 彼を気遣う優しさに、レフの心が愛おしさで一杯になる。

 もう外は闇に沈んでいる。

 転がっていたランタンに火を入れると、レフは身につけていた剣や鎧を外し、息を吐いた。

 そんな彼の様子を、リースは見ているしかなかった。

 先程の告白が思い出される。


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