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毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる
第15章 想い②
(全てを……、なかったことに。俺の言葉も、気持ちも、全部なかったことに……。そういうことなのか?)
息が上手くできない。
身体に力が入り、無意識に握った手から痛みが走る。
自分の気持ちを拒絶されたように感じ、心に絶望感が広がった。今すぐにでも、リースの前から姿を消したい衝動に駆られる。
岸辺の石を踏む音が近づいて来たが、衝撃を受けているレフの耳には届かなかった。
「……え?」
ふいに温かい何かが、彼の拳に触れた。
彼の手に触れていたのは、リースの手。
リースの身体は見当たらないが、どうやら岩肌を背にし手だけを伸ばしているらしい。
彼女がそばにいる証拠に、ランタンの光が足元で揺れ、影が長く伸びている。
「あの行為の目的は、あくまで解毒。どれだけ理由を重ねても……、その事実は変わらない。でももしお前が本当に私のことを、愛しているというのなら……」
リースの手に力が籠ったかと思うと、細い指が震え出した。
か細い声が、言葉を紡ぎ出す。
息が上手くできない。
身体に力が入り、無意識に握った手から痛みが走る。
自分の気持ちを拒絶されたように感じ、心に絶望感が広がった。今すぐにでも、リースの前から姿を消したい衝動に駆られる。
岸辺の石を踏む音が近づいて来たが、衝撃を受けているレフの耳には届かなかった。
「……え?」
ふいに温かい何かが、彼の拳に触れた。
彼の手に触れていたのは、リースの手。
リースの身体は見当たらないが、どうやら岩肌を背にし手だけを伸ばしているらしい。
彼女がそばにいる証拠に、ランタンの光が足元で揺れ、影が長く伸びている。
「あの行為の目的は、あくまで解毒。どれだけ理由を重ねても……、その事実は変わらない。でももしお前が本当に私のことを、愛しているというのなら……」
リースの手に力が籠ったかと思うと、細い指が震え出した。
か細い声が、言葉を紡ぎ出す。