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マスタード
第9章 愛ふたたび・・
奏の愛をその身に受け入れたからか愛美は一段と綺麗に見える。

「一緒にお風呂に入る時はいつも陽葵がいたからふたりきりで入るのは初めてだね」

「そっか、お風呂の中じゃこんなふうにイチャイチャできなかったからね」

お風呂から上がると愛美は何も着けずに浴衣を羽織って濡れた髪を乾かし始めた。

奏もまた浴衣を羽織っただけの姿で風呂上がりのビールを飲んで愛美が髪を乾かすのを見ていた。

髪が乾いたら下着を着けて服を着て帰らなければならない。帰したくない、このままずっと一緒にいるのは無理だとは分かっている。でも、せめてもう少しだけでも・・・。

奏はいてもたってもいられなくなって後ろから愛美を抱きしめた。お互いに浴衣を羽織っただけの裸同然の姿で再びふたりは抱き合う。

「さっきあんなに出したのに大丈夫?」

「ごめんね。でも愛美が欲しくて抑えられなくて」

「ううん、嬉しいよ。じゃあ来て」

激しい恋をしながらも奏はいつもどこか冷静だった。こんなに抑えられずに激しく求めるのは多分初めてのことじゃないかと思う。

そんなに激しく愛されて愛美もまた嬉しかった。

激しく抱き合ったまま布団に倒れ込むと羽織っただけの浴衣はすぐにはだけてしまった。

舌を絡め合って愛美の女の部分を確かめると、さっきの奏の愛の結晶がドロリと流れ出てきた。
人様の妻となった愛美の中に愛をぶちまけるなんて罪深く許されないことをしたと思うが、まだ我慢できずに罪を重ねようとしている。

「ああ愛美、こんな許されないことをして地獄に墜ちるね、ボクは」

「じゃあ、あたしも地獄に墜ちるよ。奏と一緒なら地獄でも天国だわ」

背徳、不義密通という棘も心から愛し合うふたりを止めることはできない。

ふたりはまた激しく愛し合う。畳に布団という和風の部屋に布団やふたりの浴衣が乱れている。

「愛美、愛してるよ」

「あたしもよ、奏」

「あああっ」

奏はふたたび愛美の中に溢れる程の愛を注ぎ込んだ。

「ああっ、熱い・・こんなにいっぱい、さっきもあんなに出したのに」

「全部愛美への愛だよ」

「嬉しい」

余韻を確かめ合うようにふたりはまた激しく舌を絡め合った。

夜闇に紛れてこっそりと見つからないように帰らなければならない。愛美も奏もきちんと服を着た。



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