この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
マスタード
第3章 リサ・・・
出逢いの経緯はママもよく知らないみたいだけどリサには言い寄ってくる男の人がいた。
彼は誠実な人で貧しいながらも一生懸命に頑張っていた。
どうやらリサと同じような境遇で家を飛び出してこの街にやってきたらしい。
リサといい、ママといい、その男といい、この街には何かから逃げて家を捨ててやってくる人が多いなと奏は思った。
たまたま単身赴任という環境を職場が与えてくれただけで奏だって同じようなものだ。願わくばずっとこの街で暮らしていきたいと思う。
海と山に囲まれ、旅情が溢れるこの街にはそんな人がよく似合うのかも知れない。
その男は東京で新しい仕事をするチャンスを掴んだようで、リサにも一緒に東京に行って仕事を手伝って欲しいと頼んできた。リサはスゴく悩んだらしい。
リサは愛や恩義を大切にする人だからママが言うようにママや『愛』のこともあったのは間違いないが、多分奏のことも大きかったんだと思う。
ママはリサに店やママのことは気にしなくていいから、自分が後悔しないように結論を出すように後押ししてあげた。
考えてみるとリサがその男のプロポーズを受けるか悩んでいたのは奏と初めてキスをした頃と被っていたのかも知れない。
だからといってリサに二股をかけられたとは思わない。悪いのは自分の方だ。
悪妻と離婚もできずに、リサと結婚できもしないのに、そんな自分のせいでリサを悩ませたとは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
でも、リサが奏のことを心から愛してくれたのは痛切に感じる。
だからあの時に会いたいと連絡をくれたんだ。初めて結ばれる相手は奏だと決めてくれていたんだ。
リサと結ばれたあの時にリサはいろいろと覚悟を決めたんだと思う。妻とは最悪でも奏は星志を愛していた。そんな奏と星志を見て、わがままを言って迷惑をかけちゃいけないと思ってくれたのかも知れない。
そうして東京に行ったリサは、その相手と一緒に仕事をがんばり、結婚をして、会社を興して順調に幸せになったとのこと。ふたりの頑張りや幸せな姿にわだかまりが溶けたのか、リサも相手の男も家族と和解することもできたのだという。
リサが幸せになってくれてよかったと奏はリサの幸せに乾杯をした。
と同時に、あの時に妻に先手を打たれずにもっと早く離婚してリサに結婚して欲しいと言ったらどうなっただろうとも思った。
彼は誠実な人で貧しいながらも一生懸命に頑張っていた。
どうやらリサと同じような境遇で家を飛び出してこの街にやってきたらしい。
リサといい、ママといい、その男といい、この街には何かから逃げて家を捨ててやってくる人が多いなと奏は思った。
たまたま単身赴任という環境を職場が与えてくれただけで奏だって同じようなものだ。願わくばずっとこの街で暮らしていきたいと思う。
海と山に囲まれ、旅情が溢れるこの街にはそんな人がよく似合うのかも知れない。
その男は東京で新しい仕事をするチャンスを掴んだようで、リサにも一緒に東京に行って仕事を手伝って欲しいと頼んできた。リサはスゴく悩んだらしい。
リサは愛や恩義を大切にする人だからママが言うようにママや『愛』のこともあったのは間違いないが、多分奏のことも大きかったんだと思う。
ママはリサに店やママのことは気にしなくていいから、自分が後悔しないように結論を出すように後押ししてあげた。
考えてみるとリサがその男のプロポーズを受けるか悩んでいたのは奏と初めてキスをした頃と被っていたのかも知れない。
だからといってリサに二股をかけられたとは思わない。悪いのは自分の方だ。
悪妻と離婚もできずに、リサと結婚できもしないのに、そんな自分のせいでリサを悩ませたとは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
でも、リサが奏のことを心から愛してくれたのは痛切に感じる。
だからあの時に会いたいと連絡をくれたんだ。初めて結ばれる相手は奏だと決めてくれていたんだ。
リサと結ばれたあの時にリサはいろいろと覚悟を決めたんだと思う。妻とは最悪でも奏は星志を愛していた。そんな奏と星志を見て、わがままを言って迷惑をかけちゃいけないと思ってくれたのかも知れない。
そうして東京に行ったリサは、その相手と一緒に仕事をがんばり、結婚をして、会社を興して順調に幸せになったとのこと。ふたりの頑張りや幸せな姿にわだかまりが溶けたのか、リサも相手の男も家族と和解することもできたのだという。
リサが幸せになってくれてよかったと奏はリサの幸せに乾杯をした。
と同時に、あの時に妻に先手を打たれずにもっと早く離婚してリサに結婚して欲しいと言ったらどうなっただろうとも思った。