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マスタード
第5章 抱擁
しかし義務である以上取らなければならない。
奏だって他の先生が休暇の時は代理で授業をやったりもしている。

取らなければならないのなら、せめて有意義な休暇を取りたいというのが奏の考えだ。
有休というのは有意義な休暇でもあるのだ。

ならば陽葵のためにパパの代理で幼稚園に行くことこそ有意義な休暇だと思う。
ここで取らないでいつ取るのというカンジである。

「ボクでよければ幼稚園行こうか?」

奏の言葉を聞いてしょんぼりしていた陽葵の顔がパアッと明るくなる。

「いいの?」

「休暇ってのは取るのが義務の時代なんだよ。だったら、陽葵のために使うのがボクの有意義な休暇なんだ」

心配そうな愛美に職場の状況も説明してあげると、「ありがとう奏ちゃん」という愛美の言葉とハモって、「ありがとう、そうちゃんパパ、だいすき」と陽葵が奏の膝に乗って抱きついてきた。

「あっ、ズルい、そこはママの場所・・」

「そうちゃんは、ひまりのパパだもん」

ちょっと妬きもち顔の愛美を見て陽葵は悪戯っぽく笑いながら「ママも来ていいよ」とおいでのポーズをした。

愛美も奏の隣にきて身を委ねた。

当日は休暇を取って陽葵の幼稚園に行った。
ありのままを説明するワケにもいかないし、再婚したとかと言えば何かとウワサになったりして支障が出るので、幼稚園側には遠くの街にいる愛美の兄が一時的に帰ってきているのでパパの代理で行ってくれるのだということにした。

陽葵と一緒に餅つきに参加した。餅つきなんて滅多に経験する機会もないが、星志が幼稚園の時にも餅つきをやったと懐かしく思い出す。

「つきたてのお餅はおいしいね」
「うん、とっても美味しいね」

つきたてのお餅にきなこを付けて食べさせてくれた。陽葵のとっても嬉しそうな笑顔を見ていると本当に来てよかったと思った。

お餅を食べて片付けもすると、パパと子供でかけっこや競技をして遊んだ。ミニ運動会みたいなものである。

参加しているパパたちは日頃の運動不足が祟って、奏より若いのに餅つきで腕や肩が痛くなったり、かけっこや競技で疲れ果てている人も多い。

毎日山道を歩いたり、休日は聖地巡礼であちこち歩いたりしていて鍛えられているおかげもあって奏は四十代になってからの方が体力があるぐらいなので、パパたちの中でも元気な方だった。
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