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マスタード
第9章 愛ふたたび・・

一番の推しであるグルビーズはB級グルメアイドルだけあって食べ物や名産物の歌が多いので小道具のネタはいっぱいあった。
そんな奏の応援はアイドルたちも気に入ってくれて新参者で物販に多大な貢献をしたり、ファンクラブや親衛隊に入ったりしてもいないのに、幾つかのグループの現場では大きな存在になっていた。
推し事の現場ではみんな本名は隠してSNSとかで使うニックネームを名乗っているので、奏はオヤジバンドでステージに立つ時と同じく『モルツ』を名乗った。
ちなみにオヤジバンドは酒を飲んでステージをやることも多いので『飲ん兵衛ズ』とか『ヘベレケバンド』とか呼ばれても親しまれているので、他のメンバーもみんな何かしらのお酒にまつわる名前を名乗っている。
グルビーズのファンの人の中にはあの街までグルビーズの追っかけで行った時にオヤジバンドの演奏も見てくれた人も何人かいて『モルツ』を名乗ると、あのヘベレケのモルツさんとか、飲ん兵衛のモルツさんと喜んでくれたりもした。
推し事の現場の友だちや仲間との関係や距離感は奏にとってはとても居心地の良いものだった。
本名や仕事などリアルな世界のことにはお互いに一切干渉しない。あくまでそのアイドルを推す仲間としての関係である。
この距離感が心地よいのは、もう人と深く関係したくないという気持ちからきているのかも知れない。
人と深く関係したくはないが、ひとりぼっちは寂しい。そんな相反する矛盾した関係を推し事の現場の人たちは当然のように築いているのだ。
また、推しさんたちとの関係も実に心地よい。
好きで好きでたまらなく愛しているのに恋愛とは全く違う感情だ。
推しさんのために色々て考えたり行動するのはワクワクして楽しいのだが、恋人にしたいとか、自分だけのものにしたいとかの感情は絶対にない。
自分は推しさんを愛して一生懸命に応援する。
推しさんはステージや特典会での触れ合いで奏の心に大きく空いた穴を埋めてくれて、色々と頑張るための元気をくれる。
そんな大切な仲間としての絆がそこにはある。
グルビーズや星志の推しさんも出演したあるアイドルの生誕祭で、ファン代表の人が贈ったお祝いの言葉が実に心に響いた。
アイドルさんは月であり星である。いつも美しい光をボクたちにくれるからボクたちは頑張れる。
そんな奏の応援はアイドルたちも気に入ってくれて新参者で物販に多大な貢献をしたり、ファンクラブや親衛隊に入ったりしてもいないのに、幾つかのグループの現場では大きな存在になっていた。
推し事の現場ではみんな本名は隠してSNSとかで使うニックネームを名乗っているので、奏はオヤジバンドでステージに立つ時と同じく『モルツ』を名乗った。
ちなみにオヤジバンドは酒を飲んでステージをやることも多いので『飲ん兵衛ズ』とか『ヘベレケバンド』とか呼ばれても親しまれているので、他のメンバーもみんな何かしらのお酒にまつわる名前を名乗っている。
グルビーズのファンの人の中にはあの街までグルビーズの追っかけで行った時にオヤジバンドの演奏も見てくれた人も何人かいて『モルツ』を名乗ると、あのヘベレケのモルツさんとか、飲ん兵衛のモルツさんと喜んでくれたりもした。
推し事の現場の友だちや仲間との関係や距離感は奏にとってはとても居心地の良いものだった。
本名や仕事などリアルな世界のことにはお互いに一切干渉しない。あくまでそのアイドルを推す仲間としての関係である。
この距離感が心地よいのは、もう人と深く関係したくないという気持ちからきているのかも知れない。
人と深く関係したくはないが、ひとりぼっちは寂しい。そんな相反する矛盾した関係を推し事の現場の人たちは当然のように築いているのだ。
また、推しさんたちとの関係も実に心地よい。
好きで好きでたまらなく愛しているのに恋愛とは全く違う感情だ。
推しさんのために色々て考えたり行動するのはワクワクして楽しいのだが、恋人にしたいとか、自分だけのものにしたいとかの感情は絶対にない。
自分は推しさんを愛して一生懸命に応援する。
推しさんはステージや特典会での触れ合いで奏の心に大きく空いた穴を埋めてくれて、色々と頑張るための元気をくれる。
そんな大切な仲間としての絆がそこにはある。
グルビーズや星志の推しさんも出演したあるアイドルの生誕祭で、ファン代表の人が贈ったお祝いの言葉が実に心に響いた。
アイドルさんは月であり星である。いつも美しい光をボクたちにくれるからボクたちは頑張れる。

