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マスタード
第9章 愛ふたたび・・
陽葵の無邪気な恋愛論に奏も愛美も顔を見合わせて笑った。久しぶりにかわす笑顔に幸せを感じる。
「大人はね、そういうワケにはいかないんだよ。陽葵も段々大人になれば解るよ」
「大人って難しいから、ひまりは大人になんてなりたくないな・・・あっ、大人になったらひまりがそうちゃんパパと結婚するよ。そうしたらまたママとも家族になれるでしょ」
陽葵の無邪気さには癒されるけど、そんなにそうちゃんパパと一緒にいたいという想いには心を打たれて奏は陽葵をギュッと抱きしめた。
「どうしたの、そうちゃんパパ、泣いてるの?」
奏が涙ぐんでいるのを陽葵は心配してくれた。そんな陽葵はぐっと大人びた女性に感じた。
「嬉しいんだよ、陽葵の気持ちが。ありがとうね」
「ち、ちょっとあんたたち、本当に結婚するつもりじゃないでしょうね。結婚したって奏ちゃんはあたしの奏ちゃんなんだからね」
奏と陽葵がラブラブなのを妬いて愛美は慌てて奏に抱きついた。
「もう、ママったら」
久しぶりに親子3人で笑い合う。
こんな幸せが当たり前のようにあった、しかし、もう戻らない幸せだと3人それぞれが感じていた。
秀一の親戚がこの土地で旅館をやっている。また、その傍らで建設業もやっている。秀一がそこに頼み込んで親子3人で住みこみで働かせてもらっているんだという。
秀一は建設業の方もやっていて、今は遠くの現場に泊りがけで行っているので、旅館の休憩時間に陽葵を連れてイベントで賑わう街を見に出てみたら奏の姿を見つけたということだった。
「驚いた、まさか奏ちゃんがこんな街にいるなんて。まさかもう新しい恋人でもできて逢引きの旅?」
と愛美はちょっと脹れ顔をして言った。
「まさか、違うよ。独りで傷心旅行さ」と奏が盛大に首を振るのが面白くて、「あたしと別れたから」と言って愛美はきゃははと笑った。
久しぶりにこのきゃははが見れて奏は幸せを感じていた。
「終わってないよ、あたしたち」と言って愛美はステキな笑みを浮かべた。
不本意な形で他の男と結ばれることにはなったけど、こうして奇跡的に出会ってしまうのは確かに運命だと思うしかない。
「それに、これでお互い様ね」
お互いに結婚しているのだから確かにお互い様のW不倫ということになる。
「大人はね、そういうワケにはいかないんだよ。陽葵も段々大人になれば解るよ」
「大人って難しいから、ひまりは大人になんてなりたくないな・・・あっ、大人になったらひまりがそうちゃんパパと結婚するよ。そうしたらまたママとも家族になれるでしょ」
陽葵の無邪気さには癒されるけど、そんなにそうちゃんパパと一緒にいたいという想いには心を打たれて奏は陽葵をギュッと抱きしめた。
「どうしたの、そうちゃんパパ、泣いてるの?」
奏が涙ぐんでいるのを陽葵は心配してくれた。そんな陽葵はぐっと大人びた女性に感じた。
「嬉しいんだよ、陽葵の気持ちが。ありがとうね」
「ち、ちょっとあんたたち、本当に結婚するつもりじゃないでしょうね。結婚したって奏ちゃんはあたしの奏ちゃんなんだからね」
奏と陽葵がラブラブなのを妬いて愛美は慌てて奏に抱きついた。
「もう、ママったら」
久しぶりに親子3人で笑い合う。
こんな幸せが当たり前のようにあった、しかし、もう戻らない幸せだと3人それぞれが感じていた。
秀一の親戚がこの土地で旅館をやっている。また、その傍らで建設業もやっている。秀一がそこに頼み込んで親子3人で住みこみで働かせてもらっているんだという。
秀一は建設業の方もやっていて、今は遠くの現場に泊りがけで行っているので、旅館の休憩時間に陽葵を連れてイベントで賑わう街を見に出てみたら奏の姿を見つけたということだった。
「驚いた、まさか奏ちゃんがこんな街にいるなんて。まさかもう新しい恋人でもできて逢引きの旅?」
と愛美はちょっと脹れ顔をして言った。
「まさか、違うよ。独りで傷心旅行さ」と奏が盛大に首を振るのが面白くて、「あたしと別れたから」と言って愛美はきゃははと笑った。
久しぶりにこのきゃははが見れて奏は幸せを感じていた。
「終わってないよ、あたしたち」と言って愛美はステキな笑みを浮かべた。
不本意な形で他の男と結ばれることにはなったけど、こうして奇跡的に出会ってしまうのは確かに運命だと思うしかない。
「それに、これでお互い様ね」
お互いに結婚しているのだから確かにお互い様のW不倫ということになる。