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恋花火-Akane-
第4章 もしかしたら、嘘
本を返されたのはいいけれど、しばらく心臓のドキドキが止まらなかった。


今度はどこに隠そう?


冷静にそう思う自分もいたし、


母親にバレたかもしれない。


焦る自分もいた。








冬休みがあけると、周りでカップルが数組できていた。


比較的、私の中学ではそういうことがお盛んというか


ませていた子が多かったんだと思う。


初体験を済ませたという話も、


耳にするようになった。








いつもの放課後のサッカー部との座談会で


久しぶりにスイ君の名前を聞いた。


いつもの仲良しグループの中の一人が


スイ君のことをかっこいいと言い出したからだ。


私は一瞬、カンナを見た。


けれどカンナは顔色ひとつ変えずにいたように思う。


やっぱりもう、スイ君のことは好きじゃないのかも。


だって、カンナはいつも私とあんなエッチなことをしているんだし。


きっと…


だけどそのあとの話で、


サッカー部の一人が言った。


「あいつ彼女いるからなー」


その一言で、カンナは


目を見開いた


…ような気がした。
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