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第1章 まるで苺のような

夏休み目前


のんびりとした平和な毎日に


突然雨が降る。






「えっ、三人で水着買いに行ったの！？」


私が知らぬ間に、三人で水着を買いに行ったという。


四人で海に行く約束をしていたのに、なんで？


悲しさで胸がいっぱいになった。


だけど、ここで怒ったり泣いたりするのはかっこ悪いし恥ずかしい。そう思ったから


「私も行きたかったなぁ」


曖昧に笑いながら、そう言うのが精一杯だった。





そのあとも、何度かそういうことがあった。


いつのまに三人で遊んでいるのか


全くわからなかったし


なぜいきなりそんな風になったのか、考えてもわからなかった。


四人でいるのに、一人でいるような気持ちになる。


そしてそれは日毎に増していき


ついには、休み時間のお弁当も


私抜きで食べるようになってしまった。


悲しくて


でも聞く勇気がなくて…


非常階段で座り込んでいたら、廊下を歩きながら話している、三人の声が聞こえた。


「なんか茜変わったよね」


「私たちより、あの子たちといる方が楽しそうだしね」


＿＿＿変わった？私が？


あの子たちとは、最近そうじの時間に話す子たちのことだろうか。


たったそれだけで、こんな風に意地悪をされるの…


悲しくて


くだらなくて


けれど立ち向かう勇気のない自分が悔しくて


涙が出た。


私はトイレを目指し走った。


トイレについて、堰を切ったように泣いた。


私は何も変わっていないのに…











「あれー？茜ひとりじゃーん」


翌日から、いよいよ一人になった私は


覚悟を決め教室で一人お弁当を広げた。


そうしたら、ギャルグループのみんなに声をかけられた。


「こっちおいでよ。一緒に食べよ！」


そう言ってくれたのが、そのグループの中の一人である、カンナだった。


私は、それまで仲良し四人組だったけど


それを抜けて


カンナたちのグループに飛び込んだ。