この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
スカーレットオーク2
第17章 17 ピアニスト
 『木枯らしのエチュード』が流れ始める。

直樹がへーっという顔をした。

和奏も真剣に聴いている。

和夫と緋紗には今一つレベルがわからなかったが、直樹に言わせると相当上手いらしい。



「いいんじゃないの。こんなに弾ける人もそうそういないでしょ」

 直樹が言うと和夫が「ふむ。直樹がそういうならいいかな」と、頷く。

そこへ和奏が口を挟んだ。

「でももうちょっとゆっくり弾いたほうがいいわよ」

 雅人はびっくりして後ろを振り向いた。



「小夜子さんかと思いました」

「ママもそう言うと思うわ」

「和奏の言う通りだよ。あと基本、食事中のBGMだからそういう選曲でね」

 直樹は笑いながら和奏の頭を撫でた。

「じゃあ。いつから来れるかな」

 和夫の一言に雅人は「え、合格ってことですか?いつからでも来れます」と張り切って答えた。

直樹が「じゃもう俺引退ってことで」というと和奏が「えー。弾いてよー」と文句を言った。

「ああ。お客さんには弾かないってことで和奏には弾くから」

「よかったぁ」

 和奏は安心したようだ。



「あの。大友さんのピアノ聴かせてもらえないでしょうか?」

 雅人の言葉に和奏はまた口を挟んだ。

「弾いてあげてよ。しょぱんがいい」

 (小夜子さんそっくりだな。信者も熱心そうだし)

直樹は苦笑して「はいはい。女王さま」と立ち上がりピアノのほうへ向かった。

もう少しすれば和奏と直樹は、かつての小夜子と直樹のような喧嘩仲間になるかもしれない、と思いながら和夫と緋紗は目を細めて二人のやり取りを見守った。
/89ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ