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スカーレットオーク2
第17章 17 ピアニスト
『木枯らしのエチュード』が流れ始める。
直樹がへーっという顔をした。
和奏も真剣に聴いている。
和夫と緋紗には今一つレベルがわからなかったが、直樹に言わせると相当上手いらしい。
「いいんじゃないの。こんなに弾ける人もそうそういないでしょ」
直樹が言うと和夫が「ふむ。直樹がそういうならいいかな」と、頷く。
そこへ和奏が口を挟んだ。
「でももうちょっとゆっくり弾いたほうがいいわよ」
雅人はびっくりして後ろを振り向いた。
「小夜子さんかと思いました」
「ママもそう言うと思うわ」
「和奏の言う通りだよ。あと基本、食事中のBGMだからそういう選曲でね」
直樹は笑いながら和奏の頭を撫でた。
「じゃあ。いつから来れるかな」
和夫の一言に雅人は「え、合格ってことですか?いつからでも来れます」と張り切って答えた。
直樹が「じゃもう俺引退ってことで」というと和奏が「えー。弾いてよー」と文句を言った。
「ああ。お客さんには弾かないってことで和奏には弾くから」
「よかったぁ」
和奏は安心したようだ。
「あの。大友さんのピアノ聴かせてもらえないでしょうか?」
雅人の言葉に和奏はまた口を挟んだ。
「弾いてあげてよ。しょぱんがいい」
(小夜子さんそっくりだな。信者も熱心そうだし)
直樹は苦笑して「はいはい。女王さま」と立ち上がりピアノのほうへ向かった。
もう少しすれば和奏と直樹は、かつての小夜子と直樹のような喧嘩仲間になるかもしれない、と思いながら和夫と緋紗は目を細めて二人のやり取りを見守った。
直樹がへーっという顔をした。
和奏も真剣に聴いている。
和夫と緋紗には今一つレベルがわからなかったが、直樹に言わせると相当上手いらしい。
「いいんじゃないの。こんなに弾ける人もそうそういないでしょ」
直樹が言うと和夫が「ふむ。直樹がそういうならいいかな」と、頷く。
そこへ和奏が口を挟んだ。
「でももうちょっとゆっくり弾いたほうがいいわよ」
雅人はびっくりして後ろを振り向いた。
「小夜子さんかと思いました」
「ママもそう言うと思うわ」
「和奏の言う通りだよ。あと基本、食事中のBGMだからそういう選曲でね」
直樹は笑いながら和奏の頭を撫でた。
「じゃあ。いつから来れるかな」
和夫の一言に雅人は「え、合格ってことですか?いつからでも来れます」と張り切って答えた。
直樹が「じゃもう俺引退ってことで」というと和奏が「えー。弾いてよー」と文句を言った。
「ああ。お客さんには弾かないってことで和奏には弾くから」
「よかったぁ」
和奏は安心したようだ。
「あの。大友さんのピアノ聴かせてもらえないでしょうか?」
雅人の言葉に和奏はまた口を挟んだ。
「弾いてあげてよ。しょぱんがいい」
(小夜子さんそっくりだな。信者も熱心そうだし)
直樹は苦笑して「はいはい。女王さま」と立ち上がりピアノのほうへ向かった。
もう少しすれば和奏と直樹は、かつての小夜子と直樹のような喧嘩仲間になるかもしれない、と思いながら和夫と緋紗は目を細めて二人のやり取りを見守った。