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第3章 サイドストーリー　―起―

「性処理奴隷だぞ。薫、判っていってるのか？」

今思い返すと、まだ、その時は優しい先輩の口調で説明してくれた。

雅也先輩がご主人様、薫がご主人様の性処理奴隷となる事。
セックスフレンドですらない。
奴隷は、人間以下の存在であること。
性処理奴隷は、ご主人様の性処理に使われるだけの存在であること。
ご主人様が望めば、いつでも、どこでも、短時間でも体を差し出すこと。
性処理はセックスではないので、自分の快楽を追求しない事。
今まで見たいに、優しくしない、人間扱いもしない。
命令には絶対服従する事、奴隷には拒否権はないこと。
将来彼女に昇格することはないこと。

そんな存在でもいいなら傍に置いてやる。
もう一度よく考えるように。

そう優しく諭されて、その日は帰らされた。

薫にきっぱりと諦めさそうと思った荒療治が半分、性癖としてそういう相手を求めているという事実が半分、これが雅也の真実だった。