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大人が寝る前に読む物語
第1章 赤ずきん
「風邪をひいたら元も子もない…」
そう言って俺はその手を離した
日が差し込む空からは雨がパラパラと落ちてくる…
通り雨だな…
すぐに雨はやむだろう…
俺はもう一度振り返ると
「腹に子がいるなら尚更、身体を大事にしないと…」
その先の言葉は言えなかった
この子が好きだった…
なのに臆病な俺は想いを告げるのを戸惑ってしまっていた
その間にあいつに…
ルシアに先を越されていたなんて…
しかも、
結婚もまだだと言うのに、その前に身体を重ねる仲になっているなんて…
悔しさ…
情けなさ…
色々な感情が沸き起こる
「アレフ…どうしたの?」
ハンカチを目に押し当ててくる赤ずきん
いつの間にか俺の目から涙が零れていたらしい…
近ずいてきた赤ずきんからフワリと立ち上る香り
それは、赤ずきんの甘い香り…
そして─────
ルシアの放った男の残り香…
まだこの子のナカに……
赤ずきんの手をハンカチごと握って……
その身体を引き寄せた
そして
抱きしめた───
抵抗しようと身体をくねらせる赤ずきんの耳元に
「お願いだから少しだけ…」
大人しくなった赤ずきんをさらに強く抱き締める
愛おしさと悔しさガ綯い交ぜになり
自分でもどうしたらいいのか分からない
「アレフ…?大丈夫?」
心配そうに覗き込む赤ずきん…
嗚呼…そうか…
やっぱり俺はこの子の事が好きなんだ
「赤ずきん……俺は君のことが好きだ」
「…え…?」
「俺と結婚して欲しい」
「アレフ…?」
「俺の嫁になってくれないか?」
「……ご、ごめんなさい……」
「赤ずきん……俺の事を知って欲しい」
「でも…さっき言ったでしょ…私にはもう心に決めた人が……」
最後まで言葉を紡ぐ前に
俺は赤ずきんの唇を塞いだ
舌を強引に割り込ませ
赤ずきんの口内に舌を這わせ、離れないように唇を強く押し当てた
俺を引き離そうとする手を壁に縫いとめ
強引な口付けから、その柔らかな唇を味わうような口付けへと
変わっていく
俺はその行為に夢中になっていて気が付かなかった…
力を緩めた瞬間に突き飛ばされた体…
大きな瞳から大粒の涙を零しながら俺を睨みつける
「アレフ…やめて…」
「赤ずきん…ごめん…」
「もう帰るわ…今の事は忘れるから」
────ッッ……
忘れる──
そう言って俺はその手を離した
日が差し込む空からは雨がパラパラと落ちてくる…
通り雨だな…
すぐに雨はやむだろう…
俺はもう一度振り返ると
「腹に子がいるなら尚更、身体を大事にしないと…」
その先の言葉は言えなかった
この子が好きだった…
なのに臆病な俺は想いを告げるのを戸惑ってしまっていた
その間にあいつに…
ルシアに先を越されていたなんて…
しかも、
結婚もまだだと言うのに、その前に身体を重ねる仲になっているなんて…
悔しさ…
情けなさ…
色々な感情が沸き起こる
「アレフ…どうしたの?」
ハンカチを目に押し当ててくる赤ずきん
いつの間にか俺の目から涙が零れていたらしい…
近ずいてきた赤ずきんからフワリと立ち上る香り
それは、赤ずきんの甘い香り…
そして─────
ルシアの放った男の残り香…
まだこの子のナカに……
赤ずきんの手をハンカチごと握って……
その身体を引き寄せた
そして
抱きしめた───
抵抗しようと身体をくねらせる赤ずきんの耳元に
「お願いだから少しだけ…」
大人しくなった赤ずきんをさらに強く抱き締める
愛おしさと悔しさガ綯い交ぜになり
自分でもどうしたらいいのか分からない
「アレフ…?大丈夫?」
心配そうに覗き込む赤ずきん…
嗚呼…そうか…
やっぱり俺はこの子の事が好きなんだ
「赤ずきん……俺は君のことが好きだ」
「…え…?」
「俺と結婚して欲しい」
「アレフ…?」
「俺の嫁になってくれないか?」
「……ご、ごめんなさい……」
「赤ずきん……俺の事を知って欲しい」
「でも…さっき言ったでしょ…私にはもう心に決めた人が……」
最後まで言葉を紡ぐ前に
俺は赤ずきんの唇を塞いだ
舌を強引に割り込ませ
赤ずきんの口内に舌を這わせ、離れないように唇を強く押し当てた
俺を引き離そうとする手を壁に縫いとめ
強引な口付けから、その柔らかな唇を味わうような口付けへと
変わっていく
俺はその行為に夢中になっていて気が付かなかった…
力を緩めた瞬間に突き飛ばされた体…
大きな瞳から大粒の涙を零しながら俺を睨みつける
「アレフ…やめて…」
「赤ずきん…ごめん…」
「もう帰るわ…今の事は忘れるから」
────ッッ……
忘れる──