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大人が寝る前に読む物語
第2章 かぐや姫
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世間の男は、その貴賤を問わず皆どうにかしてかぐや姫と結婚したいと、噂に聞いては恋い慕い思い悩んだ。
その姿を覗き見ようと竹取の翁の家の周りをうろつく公達は後を絶たず、彼らは翁の家の垣根にも門にも、家の中にいる人でさえかぐや姫を容易に見られないのに、誰も彼もが夜も寝ず、闇夜に出でて穴をえぐり、覗き込むほど夢中になっていた。

そのうちに、志の無い者は来なくなっていった。
最後に残ったのは色好みといわれる5人の公達で、彼らは諦めず夜昼となく通ってきた。
5人の公達は、石作皇子、車持皇子、右大臣阿倍御主人、大納言大伴御行、中納言石上麻呂といった


これを見て翁がかぐや姫に
「大切なわが子よ…この世の男女は結婚するもので、かぐや姫も結婚のないままいらっしゃるわけにはいかないのですよ…
我々ももう良い年…いつ身罷られてもおかしくはない…
早く、安心させておくれ…」
と言うと

かぐや姫は、良くもない容姿で相手の深い心も知らずに結婚して、浮気でもされたら後悔するに違いないとし、
「世の畏れ多い方々であっても、深い志を知らないままに結婚できません。ほんのちょっとしたことです。『私の言う物を持って来ることが出来た人にお仕えいたしましょう』
と彼らに伝えてください」と言った。

夜になると例の5人が集まって、或る者は笛を吹き、或る者は和歌を詠い、或る者は唱歌し、或る者は口笛を吹き、扇を鳴らしたりしていた。

翁は公達を集めてかぐや姫の意思を伝えた。


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