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大人が寝る前に読む物語
第2章 かぐや姫
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そんな様子が帝にも伝わり、帝は姫に会いたがった。
使いとして内侍中臣房子を派遣し、房子は翁にかぐや姫と対面させるよう迫るが、再三の説得にも関わらず、ことごとく拒絶される。


そんなある日のこと──

帝は趣味の鷹狩をしている最中に落馬し足に怪我を負ってしまう

ごく僅かな共のみを従えた唯一の時間…
ザワつく家来どもに一喝し、騒ぎを治めると河原に座り込み冷たい水で足を冷やす

どうやら足を捻っただけで、大きな傷は見当たらない…


しかし、見る見るうちに腫れ上がってくる足首に顔を歪めていた


「…もし……どうかなされたか?」

声のした方を振り返った瞬間……目を見張る

そこには童が着るような簡易的な着物を身にまとい、
結い上げた髪も乱れた、童とも大人とも分からぬ女人が立っていた


しかし
その美しさたるや今までに見たことない程の眩さであった

「あ…足を…」

「あぁ……捻ったのだな…」


徐ろに着物の裾を破ると川に浸し、足に巻き付ける…

「うぅ…ッ」

「痛むか?」

「いや……大したことはない」

「そこの小屋まで行けるか?」

「…うむ…」

共の者に肩を借り、足を引きずりながら小屋まで辿り着く

「そこへ…」

娘が指差すところに座ろうとするが、腫れた方の足に力がかけられず
少しよろめいた

「大丈夫か?」

「…あぁ…大事ない…」

そうは言ったものの痛みで顔が歪む

「少し待て…」

娘は大きめの布に泥のような粘着質な物体を塗り
徐ろに痛む足に貼り付けた


ヒヤッとしたのも束の間…
じわりと広がる清涼感が不思議と痛みを和らげていく


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