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大人が寝る前に読む物語
第1章 赤ずきん
森に入って少し行くと一面の花畑

夢中で花をつんでいると…

「赤ずきん…」

この声は…

「ルシア」

森で炭焼きをしているルシアは、
将来を約束している大好きな人

「花をつんで、どこに行くの?」

「おばぁちゃんのお見舞いに森へ行くのよ」

「どこか具合が悪いの?」

「えぇ…風邪をひいてしまったみたい」

「そうか…僕も一緒に行けたら良かったのだけど」

「大丈夫よ…ルシアは街へ行くのでしょ?」


ルシアの背中には炭が積まれたカゴが背負われている

「あぁ…夕方には戻れると思うから、家によってもいいかい?」

「えぇ…でも遅くなったらおばぁちゃんの家に泊まろうと思ってるの」

「そうか…じゃ明日の夕方にでも炭を届けがてら家に寄らせてもらうよ」

「えぇ…待ってるわ」


そしてルシアは優しくキスをしてくれた

「赤ずきん…愛してる」

「ルシア…私も愛してるわ」

そっと抱きしめられると、急に身体が火照り出す


あれはルシアの20歳の誕生日…
私達が付き合い初めて2年の歳月が流れた、その日──

私は18年間、守り続けてきた処女をルシアに捧げた


あれから何度かルシアに抱かれて、
すっかり性に目覚めた身体はキスをしたり、
抱きしめられると簡単に火照ってしまうようになっていた

「赤ずきん…」

潤んだ瞳で私を見つめるルシアもきっと…私と同じ気持ち

深まる口付け…
まだ朝だと言うのに…

どうしてこんなにいやらしい気持ちになってしまうの…

強く抱きしめるルシアが腰を押し付ける


あ……っっ
ルシアの……か、硬くなってる


「ルシア…」

顔を真っ赤に染めたルシアが私の手を引いて歩き出す

「どこに行くの?」

「家に……1度帰るよ」

森の炭焼小屋の隣にルシアは住んでいる

「でも……街に行くのが遅くなるわ」

「構わない……今は赤ずきんを…抱きたい」

「え…」


こ…こんな朝からだなんて…
明るいし…恥ずかしい

「ルシア…ダメよ」

立ち止まったルシアが振り返る

「赤ずきん……君が欲しい…」


欲望にかられた瞳は、いつもの優しい眼差しではなく…
私を抱く時の男の眼だ

そんな眼で見ないで…ルシア

求められたら……濡れてしまうから


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