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スカーレットオーク3
第11章 12 ディナー
沢田の演奏はここ数年で飛躍的にうまくなっていた。
正確性は勿論のこと情緒的にも訴えてくるものがあるし、何よりも甘ったるく女性向けだった。(緋紗のことでも想ってるのかな……)
沢田の気持ちを知っている直樹は苦笑しながら、更にこれから柚香とくっつけてしまおうという計画に少し罪悪感を感じた。
直樹の軽いため息に気づいた颯介は「心配すんなって」と自信満々そうに言う。
(兄貴にはかなわないや)
直樹は微笑して演奏を聴き入った。
ピアノ演奏が終わり、沢田が一礼をして帰ろうとしたとき直樹は声を掛けた。
「沢田君。よかったらここでお茶しないか」
和夫に食後のコーヒーを沢田の分も運んでもらって柚香の隣の席につかせる。
「演奏すごくよかったよ」
「ありがとうございます」
沢田は長細い指先を揉みながら笑顔で答えた。
「今日は組合員の新人を連れてきたんだ。兄貴はおまけ」
「おまけってなあ」
颯介は素早く沢田と柚香を見比べ、軽く直樹を見て笑ってから沢田に話しかけた。
「こんな肉体労働を可愛い女の子がやってるなんてすごいよねー。直樹の嫁くらいかと思ってた」
「男だって料理もするし、沢田君みたいに気が利く男も増えてるよ」
直樹も話しながら沢田の様子をみる。
沢田は柚香に感心しているようだ。
正確性は勿論のこと情緒的にも訴えてくるものがあるし、何よりも甘ったるく女性向けだった。(緋紗のことでも想ってるのかな……)
沢田の気持ちを知っている直樹は苦笑しながら、更にこれから柚香とくっつけてしまおうという計画に少し罪悪感を感じた。
直樹の軽いため息に気づいた颯介は「心配すんなって」と自信満々そうに言う。
(兄貴にはかなわないや)
直樹は微笑して演奏を聴き入った。
ピアノ演奏が終わり、沢田が一礼をして帰ろうとしたとき直樹は声を掛けた。
「沢田君。よかったらここでお茶しないか」
和夫に食後のコーヒーを沢田の分も運んでもらって柚香の隣の席につかせる。
「演奏すごくよかったよ」
「ありがとうございます」
沢田は長細い指先を揉みながら笑顔で答えた。
「今日は組合員の新人を連れてきたんだ。兄貴はおまけ」
「おまけってなあ」
颯介は素早く沢田と柚香を見比べ、軽く直樹を見て笑ってから沢田に話しかけた。
「こんな肉体労働を可愛い女の子がやってるなんてすごいよねー。直樹の嫁くらいかと思ってた」
「男だって料理もするし、沢田君みたいに気が利く男も増えてるよ」
直樹も話しながら沢田の様子をみる。
沢田は柚香に感心しているようだ。