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スカーレットオーク3
第12章 13 楽園
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直樹は身体を起こして、緋紗を四つん這いにし腕を曲げさせた。
「このポーズが見たかったんだ。女豹のポーズって言うんだよ」
緋紗は二の句が告げられずしばらく静止したのち「それだけのために……」と大きく息をはき出した。
「今見てもいいもんだよ。セクシーだ」
直樹は笑って言い、また緋紗を抱きしめた。
「またここでしようか」
「だめ」
緋紗は恥ずかしそうに笑う。
いつもここに来るとエデンの園にいるような気がしてくる。
「知恵の実ってどんな味がしたのかしら」
「エデンの園の?」
「うん。林檎とか杏とか色々言われてるけど。やっぱり美味しかったのかな」
「美味しかったからアダムにも勧めたんじゃないの」
「かな。でも美味しくて勧めたんじゃないと思うの」
「じゃあなんで?」
「色々分かったことをアダムにも知って欲しかったと思うの。イブがアダムを愛している気持ちとか」
「なるほどね。無垢な関係から成熟した関係になったのかもしれないね。林檎をかじった後は」
「――直樹さんは蛇みたい」
「俺が誘惑したみたいじゃないか」
「私はそうだと思ってるんだけど」
「自分を林檎のように差し出したんじゃないのか?」
「やだ」
「このポーズが見たかったんだ。女豹のポーズって言うんだよ」
緋紗は二の句が告げられずしばらく静止したのち「それだけのために……」と大きく息をはき出した。
「今見てもいいもんだよ。セクシーだ」
直樹は笑って言い、また緋紗を抱きしめた。
「またここでしようか」
「だめ」
緋紗は恥ずかしそうに笑う。
いつもここに来るとエデンの園にいるような気がしてくる。
「知恵の実ってどんな味がしたのかしら」
「エデンの園の?」
「うん。林檎とか杏とか色々言われてるけど。やっぱり美味しかったのかな」
「美味しかったからアダムにも勧めたんじゃないの」
「かな。でも美味しくて勧めたんじゃないと思うの」
「じゃあなんで?」
「色々分かったことをアダムにも知って欲しかったと思うの。イブがアダムを愛している気持ちとか」
「なるほどね。無垢な関係から成熟した関係になったのかもしれないね。林檎をかじった後は」
「――直樹さんは蛇みたい」
「俺が誘惑したみたいじゃないか」
「私はそうだと思ってるんだけど」
「自分を林檎のように差し出したんじゃないのか?」
「やだ」
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