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穢れ
第1章 穢れ
 最近、先生は、プールの塩素の匂いを連れて帰ってくる。
 先生の分厚い背中に抱きつくと、じっとり汗ばんでいた。外は暑いのだろうか。



「先生、赤ちゃんの名前考えてる?」

「うん。男でも女でもアオイかな」



 先生は予想とは裏腹に、わたしの突飛な質問に即答した。



「アオイ?!」



 ビックリして先生の顔を覗き込むと、先生はニッと笑ってわたしの唇にチュッとキスをした。
 わたしの好きな、先生の、柔らかい唇。



「気付いた?
 お前のことが好きだった、アオヤマの下の名前だよ」



 先生はそう言って、わたしの乳首を指で弾いてから、丸く膨らんだわたしのお腹を包むように撫でた。



 可哀相な、わたしのお腹のなかの、先生の穢れ。



「アオヤマは想像もしてないだろうな。
 片思いしてた友達の腹んなかに、自分たちの担任の子供がいるなんてこと」




 先生はそう言いながら、わたしに、私が大好きな唇でキスをして…。
 もう一度、わたしのお腹を撫でた。


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