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穢れ
第1章 穢れ
「さっきは悪かった…きつく言っちゃって」


 先生は後始末したあと、手のひらで自分の顔を隠して、そう呟いた。
 まだ下腹部が、ぎゅうっと張っている。



「ううん。許さない」



 先生はゆっくり顔を上げ、わたしの肩に手を回し、諦めたようにわたしを抱き締めた。



「さっきのはうそだよ。アオヤマはお前が来なくなって、一度、俺に心配だって打ち明けて泣いてた」
 




 わたしに詫びる先生の力が、強くて痛い。




「…あいつ、お前のことが好きだったんだよ」



 わたしのお腹の中の先生の穢れが、また、わたしを力強く蹴った。





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