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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】





「何もこんな時まで働かなくて良いのに」と一緒に手伝いだしてくれたのは電話が終わった小林さんだ。




「ね?そういう性分なんで」




「ま、こうしてた方がしょうもない男に声かけられんで済むしね?」




「アハハ」




「で、恋人居てへん言うてたけどさっきの子と良い感じやったよな?」




「えっ!?」




うちはわかってるから…みたいな目で見られて動揺してしまう。




「めっちゃアイコンタクトしてたやん」




「いや、それは…」




「あれで何もない関係なんやったらほんま天性の悪女やで?小悪魔なんかとちゃう、あ・く・じょ」




ヤバい……小林さんは誤魔化せないかも。
見つめ合うべきじゃなかった。
つい、久しぶり過ぎて素が出てしまっていた。
ダメじゃない、ここは会社の人間しか居ないのよ!?
私としたことが……猛省。




「ま、お互い独身やったんならええやん。うちもそんな頃に戻りたいわ」




「じゃ、今日馴れ初め聞いちゃおうかな」




「旦那との?ええって、そんな話。それよりこの後は良い恋愛してきて」




「え?」




「だってさっきから彼、めっちゃ佐久間さんのこと見てるで?うちが連れてったら恨まれそうやわ、また今度な」




顔で指された方向に目を向けると田中くんたちと話しながらチラチラこっちを見ていて思わず背を向けた。




バカ……態度出し過ぎ。
それは私もか……




式典が始まり、途中で成績上位者による表彰式にも移った。
表彰者は前のステージに出て、挨拶を済ませたら記念品を贈与される。




表彰者のみと全員との写真撮影した後は立食パーティーだ。
各々シャンパン片手に談笑している。




私といえばずっと小林さんの大阪支社での頼もしいクレーム対応や社員たちの濃いキャラに終始笑わされていた。
他の大阪支社の社員さんたちとも東京支社チームとで盛り上がってる。




お腹抱えて笑ったから化粧直しに行った帰り、足を止められたのは一番最初に声を掛けてきた名古屋支社の土屋さんだった。




ヤバい……シャンパンの酔いが回ってきたか。
ヒールでグラつき胸元に手をつく形で自分から飛び込んでしまった。
見上げればすぐ近くにまだ見慣れぬ土屋さんの顔。












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