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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】

「あっ………大丈夫ですか?」
「は……い、すみません」
一気に酔いが冷めた。
すぐに離れたけど顔が熱い。
どうしよう、気まずい空気。
適当に愛想笑いして去ろうとしたのにまた声が掛かる。
「あの…!やっぱりこのまま終わりたくなくて、その……連絡先だけでも交換していただけないですか…!!」
え……この人も酔ってる!?
声、めちゃくちゃ大きいんだけど。
同時に会場の扉も開いて数人が出入りしたから思いきり中の人、数人に見られてる状態。
こんな出入り口の真ん前で急にそんなこと言われたら恥ずかしさの方が勝っちゃうよ。
最後に入った人が扉開けたままにするからチラホラ注目集めてる……勘弁して。
「えっと……」
丁寧に断ろうとした。
好きな人が居る、とでも言おう。
「チャンスください!誘ってもらえるように頑張ります!」
「あ……いや、だから」
「恋人……居ますか?」
そう聞かれて真っ先に浮かぶのは佐野くんだ。
でも、正式に付き合ってるかと聞かれればどうなんだろう?
自分もちゃんと伝えてないよね。
あの時まだ春樹さんとお付き合いしていた状態で、待ってて…とは言った。
それから今日初めて会ったわけで。
告白の返事とか改めて言葉にはしていない。
だから……恋人と呼ぶにはまだ早い、ような。
「いや、居ないけど…でも」
「だったらチャンスをください…!」
人の話聞かない人だな。
酔ってるってのもあるだろうけど、お酒の勢いで来られても……ねぇ?
「あの、結構酔ってますよね?記憶残るかどうかわかりませんけど今答えていいですか?」
酔っ払いに聞いてもダメか。
うーん、どうしたものか……
「僕は酔ってません……だから答え聞くの怖いです」
「土屋さん……」
ジーッと真っすぐ見つめられてこっちも身構える。
こういう時ははっきり断るべきだよね。
余計な期待持たせちゃ悪いから。
でも、チャンスくださいって何?
告白なの…?
そもそも誘われてるだけで告白は受けてない。
曖昧過ぎて、急に自分がとんだ勘違いをしてるんじゃないかって不安も襲ってくる。

