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不埒に淫らで背徳な恋
第11章 【最終章 背徳没倫〜人の道から外れ、道徳に反する〜】

「ちょっと……ここ何?待って、佐野くん…っ」
入ってすぐまた唇を塞がれる。
「ねぇ、酔ってるの!?」
「まだ“佐野くん”なの?」
再び舌を絡ませる。
吐息が熱い。
「ねぇ、会社の式典だよ?わきまえてっていつも言ってるじゃん」
「俺のだって言って怒ってるの?」
「そうだよ、まだこっちにも言ってないのに」
「あのまま別れて何も音沙汰なしで放置されっぱなしの僕は?意思表示しちゃダメ?」
あ………凄く怒ってる。
こうなったのも私のせい。
自分で撒いた種だ。
そうだよね、悪いのは私。
「ごめん……」
「そんな顔させたいわけじゃない」
「わかってる……でも順序ってもんが…っ」
「嗚呼、もう黙って」
すぐに与えられる蕩けるキス……動けなくなる。
ドレスをなぞる指先に悶える身体。
「こんな姿見せられて……早く抱きたいのわかってよ」
「待って……ちゃんと話したいの」
「待てない」
鎖骨から膨らみに降りていく顔を捕まえて視線を合わせた。
「ちゃんと別れたから。連絡出来なくてごめん…」
そう聞いてニッと口角を上げたかと思えば次の瞬間、抱きかかえられ中へと足を進める。
真っ暗なのにわかるの?
そっと降ろされ遮光カーテンが開く。
徐々に光が差していく部屋の中。
目の前に広がる眩い夜景に一瞬で心を奪われていく。
ウソ…………凄く綺麗。
自ずとわかる。
ここは、最上階でスイートルームだ。
そっと後ろからハグされて耳元で甘い声がする。
「これで許して…?」
「ズルい…」
いつの間に部屋取ったの…?
最初から連れて来るつもりだった…?
あんな風に抜け出して私を困らせるのに、この手に抱かれて疼いてる。
「ごめん、もう誰のものにもならないで……口説かれてるの見たら我慢出来なかった」
「我慢…してよ、ちゃんと断るの知ってるくせに」
「アイツ……なかなか引き下がらないもん」
「こら、アイツなんて言わないの」
「ほら、すぐそうやって期待持たせる」
「別にそんなつもりで言ったんじゃ…」

