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不埒に淫らで背徳な恋
第12章 【エピローグ】

「いえ、同じ男として気持ちは痛いほどわかるんで…」
それ言われると本当何も言えなくなる。
私に出来ることって幸せになることなんだよね…?
それらを全て手放してでも手に入れた道なんだから。
「報告してくれてありがとう、今後とも担当者として頑張ってね」
「勿論です、ていうか1ミリも未練なさそうですね?」
そんな驚いた顔で見られても……
「未練?あるわけないでしょ、もう二度と全力で注ぐ相手間違わないから、私」
そう答えて全力でニーッと笑ってやった。
これが私なんだ。
薬指に光る指輪は愛の印。
もう迷わないの。
一直線。
想いの先にはいつも快くんが居る。
離れていても一番の存在。
早く会いたい。
会いたいな。
会いたいよ。
「えっ!?快くん!?」
マスク姿で会社の前に佇む姿。
中には入らず待っていてくれたのには何か理由でもあるのだろう。
退社する直前あたりで一通のメールが入っていた。
(会いたい)
まさか来てるなんて思わなかった。
福岡からわざわざ!?
サプライズ…?
ううん、何か雰囲気で違うとわかる。
他の社員はもう退社した後。
駆け寄り手を握る。
微笑んでくれたけどどこか元気がない…?
「どうしたの?」
「お疲れ様」
「うん……いつから待ってたの?」
「さっき着いたとこ」
「来てるとは思わなかった…」
「うん……ごめん」
「風邪…?」
何も言わず首を振る。
違うならどうしたの?
「謝罪……してきた」
「謝罪?」
「瑠香さんのこと奪っちゃったから」
「え…?まさか小山社長のところ!?」
「うん……ニューヨークに立たれる前に間に合って良かった」
そっか……出発はまだだったんだね。
ニューヨーク行きを耳にして快くんも居ても立っても居られなくなったんだろう。
あっちに行っちゃえば当分会えなくなるから。

