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不埒に淫らで背徳な恋
第12章 【エピローグ】

「佐野っちに何てプロポーズされたんですか?」
「えっと、あの」
「佐野っちにした決め手は?」
「それはまた今度ね…?」
「職場恋愛憧れる〜!しかも遠距離!離れてから想いに気付くなんてドラマみたい!」
「あ、あのね、聞いて?」
「結婚しても仕事続けますよね?佐久間マネは今後取れるとしたら産休くらいですからね?ねぇ、部長!」
「おう、そうだな!いや〜めでたい!おめでとう!」
「あの、だからまだ話終わってなくて…!」
一気に盛り上がっていただいて申し訳ないんだけど、再び静寂を取り戻したところで私の口が開く。
「もう一つだけご報告があって、あの…これで結婚決めたわけではないんですけど妊娠もしています、まだ安定期でもなくこれからつわりとかやって来て会社にご迷惑をおかけするかも知れません」
「ギリギリまで働くんだろ?あっちに行くのか?」
「いえ、こっちで産みます。無事産まれたら行こうかと。なのでギリギリまで働かせてください」
「そうこなくっちゃ!本当におめでとう」
「ありがとうございます」
ちゃんとここに心臓も確認出来て命が宿った。
嬉しくて診察室で泣いたことは最大の秘密。
私と快くんの子供がお腹の中に居る。
不思議だけど何て心強いんだろう。
「やっぱり!最近雰囲気変わったなぁって話してたんです!そっか、それって母性だったのかも!?おめでとうございます!わ〜佐久間マネージャーがママだぁ!」
母性っ!?
そんなことある!?
あるのか……
うん、もう母親は始まってる。
お腹の中で一生懸命育ってる。
小さな命……かけがえのない存在。
私、親になるんだ。
「佐野っちめっっっちゃ喜んでただろうな〜」
はい、泣いて喜んでました。
エコー写真に感動してて、まだ膨らんでないお腹に頬擦りまでしてさ。
想像出来るでしょ?
でもそんな快くんより一番喜んでたのがうちの両親だ。
離婚してから良い話出来てなかったしね。
快くんのことも気に入ってくれたみたいで万々歳…かな。

