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不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】




「もう困ってるよ……身体も心も、佐野くんでいっぱいになってる」




「すみません……片想いで終わるなんて出来ませんでした」




波打ってきてる……そろそろ出ちゃう?
まだもう少し触れていたい。
寸止めしてごめんね。




「チーフは…僕をいっぱい困らせてください。たくさん我がまま言って振り回していいんですよ?」




「何それ……私最低じゃん」




今も充分最低なことしてるけど。




「僕の前では無理してほしくないってことです……せめて僕だけには素を見せてください」




「やだよ……私なんか弱くて、周りに良い顔ばっかして…」




「何があっても僕は変わりません……チーフを諦めたりしない……チーフが僕を捨てない限り僕から離れたり嫌いになったりしません」




私は……彼にここまで言わせてしまうの?
自然に溢れ出る涙。
彼のお腹に落ちていく。




「私ズルいよ……弱くて…佐野くんが思ってるようなデキた人間じゃない…!」




「だから好きなんです……僕がこれからは怒ったり…泣いたり叫んだり、全部さらけ出せる場所になります」




「私……佐野くんを利用しちゃうかも知れないんだよ?」




「受け止めます…全部。僕じゃダメですか…?僕はチーフじゃなきゃダメなんです」




左右それぞれ濡れた目尻にキスしてくる。
頬を包む手が温かい。
指で唇をなぞられ見つめ合った。
この視線から逃れられるのだろうか。




胸の奥がキュン…となって身体が疼き出す。




「僕を選んでください」




道徳とか不道徳とか…もうどうでもいい。
今目の前に居る彼が欲しい。
地獄に堕ちたって構わない。




何もかも誤った判断はこの媚薬のせいだ。
甘い香りに導かれて毒を盛られる。
それが毒だとわかっていてもきっと口にするの。




けど後悔はしない。
何度でも私は彼に惹かれてしまうのだろう。
今も抵抗なく激しく絡ませているように。




壊れた理性に抗えない。




もう戻れない。













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