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不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】

電源をつけた携帯には着信が20件入っていた。
全て稜ちゃんから。
LINEも数件。
既読しなくても謝罪文だということはわかっている。
早朝の会議室。
タオルケットにくるまって朝を迎えた。
ロッカーに行って着替えを済ませ、給湯室で歯磨きセットを手に同時進行でメイクも直す。
鏡に映る自分を見て、改めて昨夜の出来事がリアルに思えてくる。
昨日の自分は…本当に今の自分なの?
少しだけ冷静になったらとんでもないことをしてしまったんだって後悔の念が押し寄せてくる。
朝方まで一緒に居た。
抱きしめ合ってソファーで眠ったはずなんだけど目が覚めたら彼は居なくて。
一瞬、本気で夢だったのかと思った。
でもすぐに彼の達筆に書かれたメモを見つけてそっと抱きしめる。
(おはようございます
一度家に帰ります
今日も頑張りましょう!
仕事で見返していきますのでこれからも指導宜しくお願いします)
佐野くんらしい………
そして、薬指に戻っていた指輪。
寝ている間に彼がはめてくれたのかと思うと胸が痛んだ。
メモと一緒に置いてくれてたら良かったのに。
どんな気持ちで戻してくれたの…?
まだ身体に残ってる……彼の温もり。
夢……なんかじゃない。
最後まではしてないけど私たちは愛し合えたんだよね…?
「あ、おはようございます!畠中チーフ」
「おはよう」
続々と社員が出社してくる。
「あ、今日はスカートだ〜」
「ん?今までも履いてたじゃない」
「似合ってます、チーフお洒落過ぎますよ〜」
ここ最近は移動も多かったからパンツスタイルだったけどロッカーに置いてあっま着替えがスカートばかりだったのよ。
やたら褒めてくれる髪型やピアスも、昨日は降ろしてたからアップにしただけだし、たまたまバックの中に入れてたピアスなだけでお洒落とか申し訳ない。
誰にも昨日帰ってませんなんて気付かれたくなくて必死なの。
逆に不自然かな?
「おはようございます、畠中チーフ」
振り返らなくても声だけでわかる。
「佐野っちおはよう〜」とか皆から言われてるけど私は真っすぐ彼を見た。
「おはよう、佐野くん」

