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不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】




いつも通りの笑顔で迎える。
いつも通り軽くミーティングして、
いつも通りの仕事をこなす。




「チーフ、ここなんですけど…」




「フォーマット送るから確認してみて」




「わかりました」




普段と変わらない距離感で居れてる。




皆で昼食中。
こっそり部長と計画していた佐野くんの歓迎会について話したら皆も二つ返事で参加するとのことだった。




皆とも仲良く出来てるし、本人も恥ずかしがってるけど嬉しそう。




「チーフ、さっきから携帯鳴ってません?」




カバンの中に入れっぱなしだった携帯。
ずっと放置していた。
後輩に気付かれて仕方なく席を外す。
向こうも昼休みでかけてきたっぽい。
朝は完全にスルーしていたから今になって続けてかけてきている。




非常階段のところで通話ボタンを押した。




稜ちゃん怒ったりしてるかな…?
結婚してから黙って居なくなるとか初めてだし無断外泊なんて……
通話中になり第一声は私の名を呼んで、返事をしたら安堵のため息が聞こえてきた。




__良かった……良かった……瑠香、会社か?




__うん……昨日はネカフェに泊まった




聞かれる前についた嘘。
そうか…と信じてくれてる。
胸の奥がチクチクするけどこうなることは必然なんだ。




__本当にごめん……二度としない




__もういいよ……時間ないから切るね?




__待って…!今日は帰って来るよね?




__うん……そうする




__ありがとう……俺、瑠香が居ないとダメだからさ……戻って来てくれて嬉しいよ




__うん……もう休憩終わりだから切るね





電話だから淡々と話せたけど、今夜顔を合わせたら私は普通で居られるのだろうか。





いつもより遅めに帰宅したら玄関まで駆け足で来ては抱きしめられた。
一日ぶりの稜ちゃんの匂い。
帰って来てくれてありがとう…って噛み締めながら言ってくれている。




「瑠香……もうどこにも行かないで?」




泣いてるの?
家の中に入ってびっくりした。
かなり散らかっている。
脱いだ服もそのまま。
テイクアウトしたであろうお弁当のトレイや飲み散らかした空き缶。












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