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不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】




「ごめん…今すぐ片付けるから」





「いいよ、稜ちゃん…私するから」




たった一日でこの荒れっぷりか。
電話にも出ないから余計焦ったのかな。
その頃私は………
脳裏に浮かぶ昨日の光景。




食器を洗っていたら後ろから抱きしめられる。




「稜ちゃん?邪魔だよ?」




「ごめん……少しだけだから」




今日はあまり触れて欲しくない。
まだシャワー浴びてないから。
匂いでバレるかも知れない。




「もう終わるから座って待ってて?コーヒー入れようか?」




「ううん、大丈夫……瑠香とくっついてたい」




「私、シャワー浴びてくるね?」




一緒に浴びたいって言われる前に振り向いて冷たい目をしたら案の定怯んだ。




「まだ完全に許せた訳じゃないから……歩み寄ろうとは思ってるけど、自分から溝作ったってことは忘れないで?本当なら別居問題だよ?」




「うん……わかった」




釘を刺しておけば当分しなくて済む。
ちゃんと反省して、許しが得れるまで私の顔色見ながら生活すればいい。
その方が好都合なの。




シャワーを浴びながら自分の身体を抱きしめる。




この家に帰って来ながらまるで私の心はここにない。
昨日触れ合ったところが疼いてる。
消えていく……それが嫌なの。
佐野くんが触れたところ……流したくない。




また触れて欲しい……




同じベットに眠るけど、私は稜ちゃんに背を向けている。
本当にレスになっちゃうね。
正直、もう稜ちゃんとは難しいと思う。
歩み寄るなんて……真っ赤な嘘だもん。




私はこれから稜ちゃんにいくつ嘘を重ねていくのだろう。
同じ朝を迎えて、同じ家に帰って来るのに心は通えてないなんて……ただの同居人だ。






朝ごはんの後、身支度を終えて。




「稜ちゃん、今週の土曜日ちょっと遅くなるから…新入社員の歓迎会で」




「そっか、瑠香は飲み過ぎるなんてことはないから安心だけど帰りは迎えに行こうか?」




「帰りはタクシーになるだろうからここまで帰って来るし大丈夫だよ」




「一応、終わったら連絡してよ」




「わかった」












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