この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】

え、ちょっと待って……この展開はヤバい気がする。
それに佐野くんが居る席でこの話題されるのはキツい。
おーい、佐野くんの歓迎会だよー!?
佐野くんは部長と仲良く飲んでるけど。
「いや、全然話せることなんか…」
何とかして違う話題に持っていこうと考えていたら無理やり隣を陣取って来たのはすでに赤い顔をした田中くんだった。
グラスをテーブルに勢いよく置いては女子たちの注目を浴びている。
「何で……何でチーフは結婚しちゃったんすか」
ん…?目が据わってる。
ヤバっ!田中くん確かお酒弱いはず。
持って来たグラスの匂いを嗅いだ。
「誰?田中くんに日本酒飲ませたの…」
チラッと遠方を見たら部長がたらふく日本酒を嗜んでいる。
部長〜!田中くんに飲ませたらダメでしょう〜!
佐野くんと盛り上がってるのは良いことだけども。
「田中〜!いつまでもチーフに甘えてたらダメだぞ」
そう言うみなみちゃんも呂律回ってない気がする。
え、田中くん…今度は泣き出した!?
また落ち込んでるのかな?
すかさずハンカチを渡すも握りしめるだけでポタポタと涙は止まらない様子。
「田中くん…どうしたの?」
仕方なくハンカチを取り上げ拭いてあげる。
「田中甘えすぎ〜!」
「わかった、佐野っち来てチーフ取られちゃったから寂しいんでしょ?」
え、取られたってただの研修期間じゃない。
変な言い方されて逆に焦る。
「チーフ、田中はチーフに憧れてんすよ、ね?田中」
うぅ〜ってまだ泣くか?
今日は酔ったら泣く人なのね。
グラス持つからダメだと取り上げた。
店員さんに烏龍茶を注文する。
「僕はチーフとまだ飲みたいれす!」
わかった、わかった…と来た烏龍茶と乾杯した。
「何で僕じゃないんすかぁ〜」
「え?」
ヤバ…聞き流すつもりが反応してしまった。
「チーフの机汚い!が好きなんれす…」
「嗚呼……ハハハ、もしかしてわざとだったの?それだったら怒るよ!?」

