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不埒に淫らで背徳な恋
第2章 【秘密を共有するのは罪ですか?】





酔っ払ってる田中くんはちょっと面白いかも。
みなみちゃんが動画を撮り出す。
今の姿を明日見せて反省文書かせますってそこまでしなくていいよ。
撮りながら爆笑してるし。




思い出に、と全体も撮ってる。
後でグループLINEで貼り付けるらしい。
シラフになった田中くんは青ざめるだろうね。




「はい、田中〜愛の告白をどうぞ!」




みなみちゃんも相当酔ってるね?
ケラケラ笑いながら携帯向けてる。
カメラに向かって
「僕はチーフが好き!僕のものだ!」って完全に据わった目で言われてもね……




「でも僕はまだ一人前になれない…」




「頑張れ〜」




もう烏龍茶すらまともに飲めずYシャツにこぼしてしまう。
おしぼりで拭いてたら
「僕はチーフが居てくれるから残れてます」って言われた。




気合い入れる為に自分もグラスに入ったビールを流し込む。
おぉ…と言われ勢いよくグラスを置いたら身体ごと田中くんに向き合った。
この酔っ払いめ!と人差し指で頭を小突く。




「もっと自信持ちな?やれば出来るんだよ、田中くんは。出来ないって思ってたら私はとっくに見放してる」




う……ん、私も段々酔いがまわってきたか。
テーブルに肘付きながらウルウル目の田中くんを見ていた。




「田中くんが、あと一歩……あと一歩だよ?頑張ってくれたら安心して任せられるよ。だから……泣くなぁー!」




毎日プレッシャーと戦ってくれてたんだよね、そこはちゃんと認めてあげないと若い芽が育たなくなる。
なでなでしてあげたら余計泣いた。
笑うしかなかった。




「うぅ……僕、チーフが結婚してなかったら本気で好きになっちゃいまふ」




「アハハ……ありがとね〜」




結婚してなかったら………か。




私も同じように考えたことがある。
どうしようもない消せない事実……なんだよね。






「田中酔い過ぎ〜!キャハハ!」




楽しい時間はあっという間に過ぎる。
お手洗いのついでに携帯を見て、稜ちゃんからメールが入ってないことに胸を撫で下ろしていた。




ここを出たらメールしなくちゃならない。
LINE開くの、嫌だな。










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