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生徒会長・朝倉美咲
第8章 学園への遠い道
(どうしよう…やっぱりやめれば良かった、こんなこと)
後悔しても遅かった。
あの男が誰にも写真を見せたり話したりしない事を祈るだけだ。
美咲は自分の心の弱さを呪った。
たった一度の痴漢で、こんなに弱気になるとは自分でも信じられない。
どんなことがあっても、自分は悪に屈する人間ではないと思っていたのに。
思い悩んでいるうちに、
電車は徐々に混み始めた。
お腹の大きな女性が乗ってきたので席を譲って立つ。
女性に予定日など聞いているうちに駅に着いた。
ドアの前に行こうとした時、小さな声が耳に届いた。
「痴漢OKになったってアノ噂ホントかな?」
振り返ると他校の男子学生が美咲を見ながらヒソヒソ話をしている。
内心の動揺を隠し精一杯
厳しい表情で睨み付けると、
「そんなわけないよなぁ…」
ため息をつき眼を逸らした。
(あの事が、噂になってる?)
ドキドキしながら電車を降り
改札に向かう。
手が震えて定期券をなかなか出せずにモタついていると、後ろから肩を叩かれた。
写真を撮って逃げたはずの、サラリーマン風の中年男が
ニヤニヤ笑って立っていた。
後悔しても遅かった。
あの男が誰にも写真を見せたり話したりしない事を祈るだけだ。
美咲は自分の心の弱さを呪った。
たった一度の痴漢で、こんなに弱気になるとは自分でも信じられない。
どんなことがあっても、自分は悪に屈する人間ではないと思っていたのに。
思い悩んでいるうちに、
電車は徐々に混み始めた。
お腹の大きな女性が乗ってきたので席を譲って立つ。
女性に予定日など聞いているうちに駅に着いた。
ドアの前に行こうとした時、小さな声が耳に届いた。
「痴漢OKになったってアノ噂ホントかな?」
振り返ると他校の男子学生が美咲を見ながらヒソヒソ話をしている。
内心の動揺を隠し精一杯
厳しい表情で睨み付けると、
「そんなわけないよなぁ…」
ため息をつき眼を逸らした。
(あの事が、噂になってる?)
ドキドキしながら電車を降り
改札に向かう。
手が震えて定期券をなかなか出せずにモタついていると、後ろから肩を叩かれた。
写真を撮って逃げたはずの、サラリーマン風の中年男が
ニヤニヤ笑って立っていた。