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生徒会長・朝倉美咲
第10章 生徒指導室へ
「んんうッ」
ほどいたスカーフの両端を握って引き寄せ、葛巻は美咲に口づけをした。
(いやぁ…臭いぃ…ッ)
タバコの臭いが美咲の鼻をつき、ヤニ臭い舌が口内で暴れまわる。
「うぷっううう」
美咲が酸欠で倒れそうになった時、指導室の戸がノックされた。
「チッ…誰だ!?」
葛巻は美咲の口を手で塞ぎながら問いかけた。
「葛巻先生ですか?3Cの中松です」
(卓!)
美咲の心臓が跳ね上がる。
「何の用だ」
「こちらに、朝倉がいると聞いて来たんですが」
葛巻は美咲に視線を移し、
「…ああ、ここにいる」
と答えた。
戸惑う美咲のスカーフを不器用に結び直し、
「放課後、俺んちへ来い」
耳元で囁くと、胸ポケットに紙切れを押し込んだ。
「わかってると思うが、他言無用だ」
美咲は葛巻から離れると、ぱたぱたと体のあちこちを手で払い、唇をゴシゴシ擦ってから戸を開けた。
廊下で卓巳の顔を見て、美咲はやっとホッとした。
「ど、どうしたの、た…中松くん」
「ああ、確認したいことがあって…」
指導室から離れ、廊下の角を曲がった所で二人は顔を見合わせた。
「本当はどうしたの、卓」
「どうもこうも、お前がクズセンに連れていかれたっていうから」
「もしかして、心配して来てくれたの?」
美咲の胸が高鳴る。
(どうしよう、嬉しい!)
「いや、俺は美咲なら大丈夫だって言ったんだけど」
「けど?」
「菜々美が、お姉ちゃんが心配だって泣くから」
「そ、そう、菜々美が…」
顔を強ばらせた美咲に、卓巳は全く気づかない。
「ところで卓、先生をクズセンなんて呼んじゃ駄目よ」
「ったく、まぁたお説教かよ
ホントうるせぇな美咲は」
くったくなく笑う卓巳が、
少しだけ憎らしかった。
ほどいたスカーフの両端を握って引き寄せ、葛巻は美咲に口づけをした。
(いやぁ…臭いぃ…ッ)
タバコの臭いが美咲の鼻をつき、ヤニ臭い舌が口内で暴れまわる。
「うぷっううう」
美咲が酸欠で倒れそうになった時、指導室の戸がノックされた。
「チッ…誰だ!?」
葛巻は美咲の口を手で塞ぎながら問いかけた。
「葛巻先生ですか?3Cの中松です」
(卓!)
美咲の心臓が跳ね上がる。
「何の用だ」
「こちらに、朝倉がいると聞いて来たんですが」
葛巻は美咲に視線を移し、
「…ああ、ここにいる」
と答えた。
戸惑う美咲のスカーフを不器用に結び直し、
「放課後、俺んちへ来い」
耳元で囁くと、胸ポケットに紙切れを押し込んだ。
「わかってると思うが、他言無用だ」
美咲は葛巻から離れると、ぱたぱたと体のあちこちを手で払い、唇をゴシゴシ擦ってから戸を開けた。
廊下で卓巳の顔を見て、美咲はやっとホッとした。
「ど、どうしたの、た…中松くん」
「ああ、確認したいことがあって…」
指導室から離れ、廊下の角を曲がった所で二人は顔を見合わせた。
「本当はどうしたの、卓」
「どうもこうも、お前がクズセンに連れていかれたっていうから」
「もしかして、心配して来てくれたの?」
美咲の胸が高鳴る。
(どうしよう、嬉しい!)
「いや、俺は美咲なら大丈夫だって言ったんだけど」
「けど?」
「菜々美が、お姉ちゃんが心配だって泣くから」
「そ、そう、菜々美が…」
顔を強ばらせた美咲に、卓巳は全く気づかない。
「ところで卓、先生をクズセンなんて呼んじゃ駄目よ」
「ったく、まぁたお説教かよ
ホントうるせぇな美咲は」
くったくなく笑う卓巳が、
少しだけ憎らしかった。