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生徒会長・朝倉美咲
第17章 屈辱の破瓜
再生された映像を見て美咲は愕然とした。

(嘘…夢を見てたんじゃないの…?)

まさか寝ている間に葛巻と会話していたとは、夢にも思わなかったのだ。

(これじゃ、本当に私から誘ってるみたいじゃない!)

「で、でも名前を呼んでいるんだから人違いだって分かるでしょう!」

「なんだよ、俺だって"タク"だぜ?」

葛巻は財布の中から免許証を取り出して美咲に見せた。

氏名には【葛巻 拓三】と記載されている。

「たく、ぞう…?」

「そういうこった」


葛巻が馴れ馴れしく美咲の裸の肩を抱く。

「プロポーズの返事はもちろんOKだよな、み・さ・き?」

猫なで声に虫酸がはしり、葛巻の手を払い除ける。

「嫌です、死んでも嫌!」

「そんなに嫌わんでもいいじゃないか、一応お前の初めての男なんだぜ?」

「…ッ」
美咲は唇を噛み締める。

「まぁ、いい。わかったよ、そんなに嫌なら結婚話はなしにしよう。てことは俺は責任をとらなくていいってことだよな?」

「…え?」

「結婚以外に責任のとり方なんてあるか?」

「え?…あれ?」
話が飛躍しすぎて訳が分からなくなる。
しかし美咲は、やがて忌まわしい記憶の中からある言葉を思い出す。

「私が嫌がった時、確か先生はざまぁみろと言いましたよね?それにこんなビデオまで撮って…これは、れっきとしたレイプです。私、警察に行きます」

真っ直ぐ葛巻の目を見て、キッパリと言った。

(チッ…覚えてやがったか)
葛巻は臍を噛む。
あの時、思わず勝利の雄叫びをあげてしまった自分の迂闊さを呪った。
混乱させて煙に巻く自信があったのだが、甘くみすぎたようだ。




ぴろろッ ぴろろッ

玄関に置きっぱなしだった
カバンの中で美咲の携帯電話が鳴った。



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