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生徒会長・朝倉美咲
第26章 美咲の涙
美咲はフラフラと帰り道を歩いていた。

菜々美と卓巳が教室を出ていったあと窓辺に立たされ、校庭を歩く二人を見下ろしながら何度も突き上げられて、
またイかされた。

それからどうやってここまで来たか記憶はあやふやだが、気がつくと三田のマンションの近くにいた。

マンションの植え込みに、踞る人影が見える。

「三田先生?」

「はい!」

返事をして振り向く三田の足元から猫が逃げ出した。

「あ…」

猫を見送る彼はサンドイッチらしきものを手にしている。

「すみません、驚かせてしまって…あの、私、一緒に探します」

「いや、野良猫です、ご心配なく」

「野良猫だったらエサをあげちゃダメじゃないですか!」

「えー…」

どうして怒られたのか分からない様子で、三田は棒立ちになった。

「責任をもって飼えないなら
むやみにエサを与えてはいけません!」

「は、はい、すみませんでした!」

教師が生徒に注意され、頭を下げる。

「いつもエサをあげてるんですか?」

「いやいや、違いますよ?ちょっと気になってる女の子が見えたんで、好感度を上げようとしただけ…あ」

「え?」

三田の言葉に、美咲の頬が赤く染まった。



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