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性に溺れる私
第9章 【甘い蜜】





玄関で見送った後シャワーを浴びて部屋に戻ったら着信が入っていた。




え…?2分前…!?先生からだ。
取れなかった自分が恨めしい。
たった1回の着信。
掛け直してはくれない。




今の時間だと学校じゃないのはわかる。
だからこっちからは掛け直せない。
隣に誰か居るかも知れないし、ましてや着信画面を知ってる人にでも見られたらそこからバレてしまう可能性もある。




それに、掛けてきている相手が先生だとも限らない。
こんな遅い時間の着信。
奥さんかも知れない。
わざとカマをかけてきているのかも。
どのみち私からは行動を起こせないのだ。




次もしかかってきても出るべきなのか!?
どうしよう、初めての状況で動揺してる。
落ち着け、冷静にならないと。




「あっ……」




留守電メッセージのマークが表示された。
ドキドキしながら聞いてみる。




先生……?それとも奥さん……?
いきなり留守電メッセージで牽制とかしないよね?




__お預かりしている最初のメッセージは1件です。○月○日、20時7分………




目を瞑り耳を傾けた。
ザワザワした雑音。
外から掛けてる…?
雨……?雨の音だ…!
カーテンを開けて確かめるとまだ雨は降り続いている。





__藍沢……




鼓膜に届いた先生の声にその場で固まった。
声の様子がいつもと違う。
どうしたの…?
思いつめているかのような籠もった声。




__会いたい……




どうして…?
朝まで待てないの…?
いつものようにメッセージひとつで私を呼び出していたじゃない。
肉声なんてズル過ぎる。
待って、まだ留守電は切れてない。




__こんなこと……困るよな、すまん。明日また学校でな




留守電メッセージはここで終わって、アナウンスが保存するかどうかを聞いてきている。





先生……かけ直していい?
近くに誰か居ますか?
すぐに取れる状況ですか?




我慢出来ない………行動に出ていい?
お願い、イエスだと言って。
全てを失ってでも今、先生の隣に行きたい。




私も会いたい………




もうバレてもいい。
それくらいの覚悟出来てるよ。
だから先生の手を取ってもいいよね…?














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