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性に溺れる私
第9章 【甘い蜜】
ねぇ、私に会いに来てくれたって自惚れてもいい…?
だってこんなの初めてだよ…?
どうやって来たの…?
奥さんに何て言い訳してきたの…?
真後ろに立って傘を差してあげた。
もうこれ以上雨で濡れないように。
ジャケットの肩が色を変えて濡れている。
髪も雫が垂れてる。
少し俯いている顔。
ゆっくり顔を上げて雨がかかっていないことに気付いたあなたが振り向く前に片腕で後ろから抱き締めた。
冷たい身体。
いつから居たの…?
「先生……何してるの?」
声で私だとわかった先生は本当に驚いていた。
目元しか見えていないからマスクを降ろして顔を見せてあげたら甘い声で私を呼ぶ。
「藍沢……何で?」
傘を差したままのハグはかなり距離が近い。
「聴こえたの……先生の声が。助けてくれって……」
雨なのか涙なのかわからないって言った方が表現としてはキレイなんだろうけど、潤んだ瞳は赤いからきっと先生は雨に打たれながら泣いていたんだね。
わざと傘を差さなかったんだ。
「藍沢……」
「先生……我慢出来なくてごめんね、もう限界…」
傘で隠しながら先生の唇に自分の唇を重ねた。
それは必然的だった。
すぐに離れるつもりがそうもいかなくて外だということをこの瞬間だけは頭から失くしていたように思う。
熱い吐息を残したまま見つめ合って。
「ウソ……そこら中探すつもりで家飛び出してた、学校方面向かおうとした……でも此処で見つけたよ?」
「俺も…気付いたら此処に来てた……会えるかどうかもわからないのに」
雨のせいで身体が冷え切ってきている。
少し震え出したから抱き締める手でさすった。
「先生、家に来て。すぐそこだから…此処に居たら風邪ひいちゃう」
「いや、でも……」
「誰も居ないから」
キャップ帽を渡して被らせた。
手を引いてその場から離れる。
「大丈夫、私ってわからないでしょ?先生もそうだよ」
そこまでコソコソしなくても誰も気付いてないから。
びしょ濡れのまま家に着いてバスルームへ直行する。
「いや、でも藍沢…」ってまだ遠慮がちな先生を脱がせていく。
「ほら、これも脱いで?とにかくシャワー浴びて」