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性に溺れる私
第2章 【先生の監視】
穂高くんと友達になれたお陰で更に色んな人から話しかけられるようになった。
皆、第一声が「耀平フッたんだって?」ばかり。
告白もされていないのに何故フッたことになるのか。
きっと百戦錬磨な彼だったのでしょう。
穂高耀平(ホダカヨウヘイ)、モテ男。
ついでに彼の友達、
猪俣大樹(イノマタダイキ)、私が間違えてもらい事故した人。
後に彼ともLINE交換した。
何となく。
2年生になって初めて出来た男友達。
きっかけってそこら中に落ちてる。
本当は今、私たちはキラキラした世界に居て…たくさんの刺激を受けて成長途中なんだろうね。
一緒にお弁当食べたり、笑い合ったり、一緒に帰ったり、遊んだり。
何してても楽しかったり、苦しかったり、かけがえのない一分一秒を過ごしているのかも。
「藍沢さん、一緒に帰らねぇ?」
授業が終わって下校時間となった廊下で呼び止められたのは何かと踏み込んでくる穂高くん。
視線の先には遠くで見えた先生の姿を捕らえていたのに。
「あ、生物のノート提出しに行くの?一緒に行こうか?」
大事に抱えていたノートを見てそう言うのだろう。
「榊のところだろ?」
やめて………先生のこと呼び捨てにして。
私の愛する人だよ。
榊純一(サカキジュンイチ)さん、生物学の臨時教師。
お願い、先生に会える時間が短くなっちゃう。
邪魔しないで。
「おーい、藍沢さん!?そんなに見つめられたら照れちゃう」
顔を隠してフザけてる仕草。
人通りの多い廊下でまたしてもたくさんの視線を奪っている彼は髪色のせいもあるけど目立つのだ。
「何で一緒に帰るの?彼女でもないのに。これ提出したら塾もあるし急いで帰らないと。あ、一人で大丈夫。また明日ね?バイバイ」
踵を返しクルリと背を向けたはずが「待って!」と腕を掴まれた。
「じゃ、明日は?明日だったら一緒に帰れる?」
「離して」
「え?」
「手、離して」
「あ、ごめん…」
先生に見られたんじゃないかと気が気でなくなる。
思わず低い声で牽制してしまった。
彼もびっくりしただろう。
ここも意味のない笑顔で乗り切るしかない。