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性に溺れる私
第11章 【ハメ撮りの果てに見える世界】





「ああ、すまなかった」




再びその手を取って見つめ合う。
もう一度だけ、時間をください。
その一瞬が永遠に感じるくらい切りとって持ってたいから。




優しく啄む唇。
肩を抱き寄せて味わってくれるね。
頬に触れながら何度も何度も先生と舌を絡ませる。
離れてもまたくっついて吸って舐め合う。




私の一生分……受け取りましたか……?




もう、タイムオーバー。
そして、ゲームリセット。




サッと離れて背を向けた。
身なりを整えていつも最後に言う挨拶。
先生、またね。
それはいつも、次もある意味の挨拶だった。





「じゃ、先生……バイバイ」




ニッコリ笑って外へ出た。
私を呼ぶ声が聴こえてきたけど振り向かない。
廊下に出てしまえば先生も安易に近付けないから。




言葉の通りだよ。
こうでもしなきゃ先生は間違った選択をする。
それが一番耐えられないの。
自分勝手なのは百も承知だよ。




そうさせてしまったのは私だろうから。
だからこの決断は間違ってないと思う。




どのみち決まってたことなの。




着々と準備は進めていて、今日が最後の日だった。




何も言わずに去ってしまうこと、色々と申し訳なく思ってる。




「初めて……手に入れられなかったなぁ」




ボソッと独り言。
手に入れられずに突き放した。
怖くなった、相手が壊れていくのが。
共倒れは……良くない。




帰り際、そっと大樹と耀平の机の中に手紙を入れておいた。
読むのはきっと明日の朝。
内容はサヨナラを差す言葉で締めくくっている。




なんの変哲もない週の半ば。




一緒に帰る最後の道のり。
途中で寛太くんに会えたのも奇跡なのかな。
4人集まったからファストフードで楽しいお喋りをした帰り道。




公園でベンチに座り、外はもう薄暗い。
人通りも少ないから調子に乗った耀平が「たまには野外でやっちゃう?」なんて言う。
案の定、大樹に怒られてる。
寛太くんはわかりやすく赤面してるね。




「いいね、野外……やってみたかったな」




意外と乗り気な私にアタフタしてる大樹にケラケラ笑った。
立ち上がった私に「え?」ってドキドキしてる…?
3人並んで座る男子たちの前に向かい合った。












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