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性に溺れる私
第11章 【ハメ撮りの果てに見える世界】
1ヶ月後。
あれから私は父親の勧めでカナダへ短期語学留学を終えて帰って来た。
逃げるように留学を選んで姿を消した。
学校側には両親の仕事の都合上ということで急遽決まった転校としている。
クラスの皆には挨拶出来なかったけど、当日まで何も知らなかった大樹たちは正直面食らっただろうね。
今どき手紙でサヨナラなんて馬鹿げてる?
怒ってるかな?怒ってるよね。
でももうそっちには戻らない。
もう会えない……みたいなこと書いたと思う。
で、私が今居るのは母親の実家がある京都。
お世話になってる訳ではなく、一人暮らしさせてもらっている。
その代わり、そのまま某有名大学の医学部へ進学することを条件に…なんだけど。
将来は医者……?
こんなセックス依存者に誰が診てもらいたいんだよ。
なるんだったら……薬剤師とか?
医療関係に就いたら満足するんだろうか。
とにかく、医学部に行かせたいらしい。
結局今はスネをかじるしか出来ないんだよな。
生活費も全部面倒みてもらってるし、上限はあるけどカードも手渡されている。
先月はあまり使ってなかったから「あんた、ちゃんと食べてる?」って心配されたけど。
転校手続きも済ませて私は私立の附属高校へ通うことになった。
紺色ブレザーでグレーのスカート、青ストライプのネクタイ。
「東京から来ました、藍沢玲奈です」
こんな中途半端な時期に転校してくるなんてどんな奴だ?という数々の視線。
東京から来たってだけで都会人と思われてるのも可笑しいけど、私はここでも不思議ちゃんキャラでいこうと思ってる。
それが一番楽だから。
隣の席は男子でちょっとヤンチャ風。
「よろしく」と笑顔で挨拶してくれて慣れてる感。
会釈で済ます私に最初は誰も近付いて来なかった。
転校してきてすぐにテストがあってその結果が周りを驚かせたのがきっかけで徐々に話す友達も増えてきた。
前の学校でもそんな感じで打ち解けてた。
いきなりトップ3は目立ち過ぎたか。
謎の転校生…から頭の良い子にイメージが定着しつつある。