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性に溺れる私
第11章 【ハメ撮りの果てに見える世界】





転校生の分際でどう接すれば良いのか正直正解がわからない。
自分らしく居るのが一番だと言うのなら
きっと私はこうしてしまう。
3〜4人居た中の一番目立たない人……つまりモテなさそうな人を選ぶの。




腕を掴んだら「え?」って挙動不審になってる。
その場に居た誰もが驚いていたかも知れない。




「一枚だけなら良いよ」とその彼の携帯でツーショットを撮ってあげた。
じゃあね、と行こうとしたらまた呼び止められて今の写真送るからLINE交換しようと言ってきた。




こっちに来て初めて交換するかも。
ポケットから携帯を出して彼とだけ交換した。




「じゃ、本当に急いでるから!また明日!」




「あ、ありがとう!送るね!」




最後振り向いて微笑んだらまた惚れられちゃうのかな。
遠くから「お前だけズルい!」って野次られてる声が聞こえてた。




ウブな男子はしつこくないし適度な距離感で接してくれるから有り難い。
どうせあと8ヶ月程度で卒業だし受験も控えてる。
遊んでばかりは居られないのだ。




それなのに。




「藍沢は○○高校通ってたんだって?俺もそこに知り合いが居てさ、榊っていう教師知ってる?同期なんだよ」




たまたま担任になった先生が先生と知り合いだなんてそんな偶然ある…?
同じ大学だったらしい。
適当に相槌を打って知らないフリをした。




もうあと少しで薄れかけていたのに……
どうして蘇っちゃうの。




身体が疼くじゃない………
ひた隠しにしてきた想いがこんな一瞬で溢れ出てくるもんなの?
もうヤダ………また火照り出す。




こんな自分……大嫌いなんだよ。
ずっと揃わないパズルのピースみたい。
いつも欠けたままの心。
埋めるように誰かを求めた。
性行為することがまるで自分の存在意義であるかのような感覚だった。




寂しい…はいずれ虚しい…に変わるのに。
やめられなかった。
弱さを隠す為に身体を重ねてたなんてもうやっちゃいけないよね。
頭ではわかってる。
依存しちゃダメだって。
抜け出さなきゃ。




「バカだな……私」




誰も居ない渡り廊下で1人しゃがんで顔を伏せる。













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