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性に溺れる私
第11章 【ハメ撮りの果てに見える世界】
「藍沢さん…?」
後ろから声がして思わず振り向いてしまった。
揺れる瞳から零れ落ちた涙に相手はアタフタしてる。
「ごめん、大丈夫?しんどいのかなって声かけちゃった」
ごめん……困らせて。
えっと……LINE交換した誰だっけ?
優也くん?名字何だっけ?
ごめん……今考えられない。
ポロポロ零れ落ちる涙は拭いても溢れてくる。
「ごめん、1人が良い?1人になりたいならどっか行く……でもそうじゃないなら何も聞かないから傍に居ても良いですか…?」
今そんな優しい言葉かけちゃダメだって……
静かな場所で嗚咽が響く。
階段に座り泣いてる転校生……
ホームシックとでも思われるかな。
その方が都合が良い。
何も答えないでいたらひとつ下の階段にズレて座り、背を向けたまま傍に居ることを選択してくれたようだ。
先生を想っての涙なのに……
ううん、違う。
依存から抜け出せない自分に対しての哀れみの涙。
人恋しい………温もりが欲しい。
セックスしたい…………
男の上で狂ったように腰振りたい………
気持ち良くなりたい………
あの快感を………絶頂した時の開放感を………
誰でも良くない…………
先生としたい…………
声を押し殺してひたすら泣いた。
彼はその間ずっと傍に居て背中を向けていてくれた。
触れちゃいけないのに……背中に頭を預けてしまう。
「ごめん……少しだけこうさせて」
「うん……いいよ」
「ありがとう…」
自分がこんなに泣ける人間だったなんて正直びっくりしてる。
久しぶりに泣いた。
張りつめていた糸がプツッと切れて行き場のない感情がバランスを崩してあちこちに散乱してる。
欠陥だらけの私………これからどうしようか。
ハンカチで拭って少し落ち着いてきた。
変なところ見られちゃったな。
人前では絶対泣かなかったのに。
自分で決断した別れが後になってこんなに痛く沁みてくるとは思わなかった。
「ごめん、ありがとう……もう大丈夫」
「何があったのかわからないけど、少なくとも俺は藍沢さんの味方だから……その他大勢の1人だけど」