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性に溺れる私
第11章 【ハメ撮りの果てに見える世界】
泣き顔見られたくないから振り向かないでいてくれたことは感謝…です。
「ありがとう……でも今は優しくしないで…泣く…っ」
また溢れ出てくる。
まだ枯れないの…?
「泣いていいよ、誰か来ても俺が盾になるし追い払うから」
両手で顔を覆い隠した。
「女の涙に簡単に騙されちゃダメだよ」
「え……?」
「優也くん騙されそうだから言っとく」
「ハハッ……そうだな、騙されるかも……藍沢さん限定で」
何も知らないくせに……
女の涙は最大の武器だ、なんてよく言うけど普段泣けないから色気で勝負してた。
泣かなくても鳴かせりゃいいって思ってたから。
「なに?そんな転校生が珍しいの?」
私だって好きでこんなとこ来た訳じゃない。
「違うよ、藍沢さんだから…だよ」
嗚呼………ムシャクシャする。
ダメな私がしゃしゃり出てくる。
「もしかして私のこと好きなの?LINE交換したから?ちょっとは俺に気があるんじゃないかって?弱ってる時に告白してくる男一番信用出来ないんだけど」
「ごめん!そんなつもりじゃ…」
「泣いてたこと……誰にも言わないで」
「勿論だよ」
震えながら溜息をつく。
「私の方こそごめん……言い過ぎた」
「ううん、藍沢さんの言う通り……俺、カッコ悪いね」
微妙な空気が流れる。
それを察してか。
「落ち着いたみたいだしそろそろ行くね」と立ち上がる彼の手を掴んだ。
ようやくこっちに振り向いた彼を隣に座らせる。
「カッコ悪くなんかないよ、こういうのなかなか出来る人少ないと思う」
「そ、そうかな……」
「うん……1人だったらまだ泣いてた」
「そっか……なら、良かった」
少しの間沈黙が流れてもどかしいから悪いクセが出てしまう。
どうしようもないサガなの。
「優也くん………キスしよっか」
「えっ!?いや……あの」
そんな慌てぶり、大好物なだけだから。
詰め寄って距離縮めるのなんて簡単。