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性に溺れる私
第2章 【先生の監視】








珍しく担任から呼び出された。




「藍沢、悪いけど追試組の面倒見てやってくれないか?」




「えっ…」




わかってます、毎回のことですから。
各クラスの成績上位者はクラスの平均点を上げるべくこうして追試組を支援しなければならない。
内申も上がるからWin-Winなシステムなんだけど。




「で、キミたちですか。しかも二人だけ」




目の前に座る追試組とは、まさかの穂高くんと猪俣くん。
エヘヘって笑ってる場合じゃないから。
かなり低い点数取ってるの把握してる?




「藍沢さんに教えてもらえるなんてラッキーだな、俺たち」




「はい、コレ買ってきました!どうぞ」




そう言って猪俣くんが私の大好きなロイヤルミルクティーの紙パックを差し出してくれた。
気が利くじゃん。




「お、ありがとう」




後で頂こうと机の端っこに置いて追試教科のテスト用紙と教科書を広げ3人による勉強会が開始した。
毎日、昼休みと放課後を使って再テストまでの一週間。




「ちょっと猪俣くん、何度も言わせないで」




「ごめんなさい」




「穂高くんもこことここやり直し」




「はい!」




そんなやり取りが数日続く。
自分で簡単に作った問題を解かせている間。
携帯を握りしめ頭の中は先生が占領してる。




(追試組の面倒をみることになりました)




メールでそう伝えてある。
イコール、その分会えないのだ。
テスト期間中は先生も忙しくて会う暇などなかった。
そして更に今度は私が会えなくさせている。




寂しいと言えば寂しい。
でも利用する手もなくはないかな、とも思っている。
会えない時間が二人の関係をどうもたらすのか。
興味はある。




その間の先生の授業。
顔色ひとつ変えないで淡々といつも通りの授業を展開している姿。
目も合わない、話しかけられない……
だけど「藍沢玲奈」と呼ばれる瞬間だけは冷たい感じがしなくなった。




それだけでわかる。
先生の意図が。
メールがなくても顔を見ない日でも、
先生の支配は続いてる。











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