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性に溺れる私
第2章 【先生の監視】
休み時間。
廊下から走って来る足音が近付いてくる。
勢いよく入口の扉が開いて私の寝るベットの仕切りカーテンを開けて入って来た人物。
「あ、藍沢さん大丈夫!?体調悪いって聞いて…!」
息を切らして肩を揺らすのはそっちが病人なんじゃないか…と思うほど真っ青な顔した猪俣くんだった。
「え……うん、少し寝たから大丈夫だよ」
身体を起こすと無理しないで…と寝かされた。
「猪俣くんこそ大丈夫?一緒に寝る?」
「えっ!いや、それは……」
「え、隣のベットでって意味」
「あ、あぁ……ハハハ」
「変な想像したでしょ」
「いや、それは、誓って…!ナイ」
めちゃくちゃ慌ててる姿が可笑しくて笑った。
恥ずかしそうにしてるって思ってたらその場にしゃがんでベットの端で腕を組み私を見上げる。
「良かった、元気そう」
猪俣くん、笑うと八重歯が見えるんだね。
短い髪も清潔感あって似合ってる。
「元気になったよ、猪俣くんが笑かせてくれたから」
「俺らの面倒見て体調崩したんだよな?ごめん」
「違う違う、えっと…何だろ?これは生理前の体調不良?みたいな」
「生理前ってそんなヤバいの?」
「あ、それも人それぞれ」
「藍沢さんは?」
「たまに……あるかも」
ごめんね、ウソだけど。
そういうことにさせてね。
何でもすぐ信用して本気で心配してくれなくて良いんだよ?
「そんな大変な時に追試組になっちゃってごめん」
そう言って自分の腕に口伏せて反省する仕草。
少し眉にかかった前髪を横分けにしたら思いのほか可愛くなった。
「全然良いよ……ていうかこっちの方が可愛い」
前髪で遊んじゃったら照れて元に戻してる。
「藍沢さんの方が可愛いよ」
「え…?」
「何倍も可愛い……と思う」
目を逸らした横顔は耳まで真っ赤だ。
ありがとうって言っても全然目が合わなくなっちゃった。
「3時間目から授業受けるよ」
2限目は先生の生物学だから。
今は顔見る勇気がない。
保健室で休んでるって聞いてどう思う?
先生のせいだよ。
自分が一番よくわかってるよね。