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性に溺れる私
第3章 【先生への逆襲】








「榊先生、これ頼まれていたノート、クラス全員分です」




「あ……ありがとう」




わざわざ職員室まで持ってこさせるなんてどういうつもり?
眼と眼が合っても私は普通に振る舞えるのよ?
真っ直ぐ見つめて入り込む隙きでも探しているの?




「それと、私は追試組の面倒は見ますけどこういうのは学級委員に頼んで頂けますか?」




棘のある言い方でも笑顔で言える。
当たり前のことを言ってるのだから反論さえ出来ないでしょ。




「そうだな、すまん……次からは学級委員に頼むようにするよ」




「はい、では失礼します」




「あっ、藍沢…!」




咄嗟に腕を掴もうとした手はギリギリのラインで理性が働いたのか引き戻した。
振り返る私にしどろもどろになって頭をかいてる。




「先生疲れてます…?目の下クマ…」




「えっ、あぁ……」




周りに居る先生に笑われてますよ?




寂しいですか…?
出逢った頃の私に戻ってて。
もどかしい…?
私はゾクゾクしてます。
あれほど手の届かなかった先生が今、私の手の上で藻掻いているのだから。




「あの、戻っても良いですか?」




「あぁ、すまん…呼び止めて」




微妙な空気出すのね。
メールひとつ送りやしないのにダイレクトに絡んでこようとする。
もしや奥さんに全部管理でもされてるの?
身重なんだから心配かけちゃダメだよ。





教室に戻るとほとんどの生徒は放課後の部活動などで居ない。
窓側の席に着いたら外を眺める。
今日から私は陸上部である大樹くんと一緒に帰るべく待つことにした。




近くで見てるのはお互い恥ずかしいし教室から見るねと言った。
グランドが広がる窓側。
トラックを何周も駆け抜けていく姿はオドオドしてなくて格好良い。




マネージャーやってって言われたけど私、そんなタイプじゃないんだよね。
カップルだと別れたらどうなるの?
気まずくない?
それで辞めるとか周りに迷惑かけるだけだし丁重に断った。
恥ずかしいよ〜って可愛くね。











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