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性に溺れる私
第4章 【魅惑的な四角関係】
「ごめん、また教科書忘れたわ」
そう言って机をくっつけてくる穂高くん。
後ろの大樹くんがムッとしてる。
適度な距離を保たないとすぐ穂高くんは仕掛けてくる。
授業中、机の下で手を握ってきたり。
「ひゃっ!」と慌てて振り解いたら手を挙げたと思われ教科担当に当てられる。
焦ってる私を見てクックと笑う。
はっきり言う。性格悪い。
あんたハズレだわ。
穂高くんとキスした日から放課後は教室に居る私の元へ来ることが多くなった。
「バスケ部、大丈夫なの?暇なの?ベンチにも入れてもらえないの?」
嫌味のひとつも増えてくる。
「ひでーな!俺こう見えてもエースなんだよ!?」
「じゃあ練習してなよ、何で此処に来るの」
「え、会いたいから。気付いたら時間作って来ちゃってる」
「あ、そう……それで試合に勝てるんなら別に良いけどさ」
会話しながら大樹くんと目が合って手を振る。
机と窓側の間に入り、カーテンに隠れるようにしゃがんだ穂高くん。
「耀平どこ行った!?終わったらミーティングだって言ってたのに!電話出ねぇし!」
廊下で部員が探してるよ?
「ねぇ、戻りなよ」って視線合わせて下向いたのに腕を引かれて穂高くんに抱きつく感じになるし、顔上げたらチュッてキスされるし。
「ごめん、また一緒に隠れて?」
え……?なんで……?
風にゆらゆらと揺れてるカーテンに隠れて私と穂高くんはしゃがんで声を潜めてる。
バレないように…?本能的に…?
「大樹にあんな顔見せて、俺に対しての当て付け?今なら嫉妬しても良いんだろ?」
「ちゃんと言いつけ守ってくれるんだね」
「それが俺たちのルールなんだろ?」
「そうだよ」
「でも今はルール守らないよ?……キスしに来た」
近付く唇を拒まず受け入れる。
優しくこじ開けて侵入してくる。
慣れた手つきで髪に触れ、親指で頬をさする。
「今だけ玲奈って呼んでいい?」
「今だけね」
フッと笑い再び重ね合わせる。
ちょっと焦らして深くないキス。