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性に溺れる私
第5章 【支配する悦び】
「ヤバっ……玲奈ちゃんに惚れるわ、可愛い…!」
最初から乗り気ではなかったものの、廊下から偶然聞こえてきた声が私を豹変させようとは。
「榊先生も来てくれたの?どうぞ〜楽しんでって!」
「いや、見回りだ」
「そんなこと言わずにさぁ、先生コスプレ好きっしょ?」
「バカか」
廊下に先生が居る。
聞き慣れた声。
無愛想だったキャラが最近だとどんどん崩れていってるね。
生徒人気上がってきててちょっぴり複雑だったり…?
「よし、準備OK!サプライズ決行〜!行こう、玲奈ちゃん」
「う、うん」
ガラガラと開いた扉。
廊下に出ただけで一気にどよめきが起きてしまった。
女子に囲まれてだけど婦人警官のコスプレを身に纏った私は皆の視線を浴びてしまっている。
「女の子だ!男じゃない!」
そっちかよ…!
そうか、いつものナチュラルメイクじゃないから私だってバレてないのかも。
帽子も斜め被りだしモロバレはしないかな。
先生もきっと見てくれてる。
今朝より完成度高いから驚いてる…?
今から彼氏に見せに行くの。
しばらく耐えててね?
「え、写真撮ってください!」
他のクラスの男子が群がってきた。
それを阻止してくれたのは背中のマントが役に立ったねドラキュラさん。
「悪いけど今から休憩だからこの子、また後でね」
「あ、ありがとう」
「へぇ、マジかよ。めっちゃ似合ってんじゃん。うわ、逮捕されてぇ」
マジマジと見ないで。
先にあんたに見られるとは。
「ほら、玲奈ちゃん休憩行っといで」と送り出してくれたメイクチーム。
扉を開けて休憩スペースにツカツカと入って行く。
「え………」
その場に居た生徒と同じリアクションで大樹もこっちをガン見している。
扉付近で皆に見守られながら。
「ごめん……コスプレされちゃいました」
「あ……うん、凄い似合ってる」
ん?まずまずな感じ?
照れてるのかな?
ずっと見られてるんだけど。
固まってる…?
一歩ずつ進んで目の前で止まる。
「大樹……」