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見られたせいで。
第4章 食べちゃった。
 誰か運転手の面倒見に助手席に来いよとの内心の思いは圧し殺して車を出す。途端にお気楽な声が響く。
 「お菓子いる人!」
 弥生。まさかそのリュックの中身全部お菓子じゃないだろうな?
 皐月と弥生を連れ歩けるのは二泊三日。予定はかなりタイトだ。今日は片道二時間かけて葡萄狩りだ。農園の奥さんが焼いてくれる葡萄のタルトが絶品なんだそうだ。折角の夏休みだ。このくらいの楽しみがあっても罰は当たらないだろう。葡萄を一人二房取らせて貰い農園の裏に流れる清流で冷やしている間子供達は農園主が飼っている兎や山羊と遊ばせてもらい大人は自家製のワインを試飲させてもらう。運転手の俺はジュースで我慢だ。帰りの運転に備えて奥で少し寝させてもらう。遠くから子供達の楽しそうな声が聞こえる。愛娘の舞花は勿論だが皐月と弥生も歓んでくれてるみたいだ。本来なら実父母が与えてやるべき笑顔だ。何が出張だ。何が同窓会だ。どうせ愛人とのお楽しみ旅行だろう。糞っ垂れが。
 「フヒャ!」
 突然首筋に冷たい物を押し当てられ俺は跳ね起きた。まさかと思うがさっきのフヒャって変な声出したの俺じゃないよな?辺りを見渡すと弥生がお腹を抱えて笑ってる。手にはジュースの入ったビン。
 「如月パパ、フヒャだって。フヒャ。」
 やはりフヒャの正体はおれだったか。
 「お父さん。びっくりさせてごめんね。奥さんがタルトが焼けましたって。」
 どうやら二十分程寝れたようだ。
 「起こしてくれ。」
 寝たまま両手を前に出すと姉妹が引っ張ってくれる。無論腹筋だけで起き上がれるのだがそんな野暮は言いっこなしだ。二人に引っ張られながらテーブルに着き冷えた葡萄と暖かいタルトを堪能して帰路につく。お土産に買った一升瓶入りの葡萄ジュース。この二泊三日の間もてばいいけど。明日には失くなりそうな気がする。
 道が空いてたおかげで予定より早く帰宅できた。皐月と弥生にとっては初めて来る三神家だ。仕事を持っている愛美や学校がある舞花が名字を変えるよりハンドルネームで仕事をしている俺が名字を変える方が楽なので婿養子になったのだ。だからここは三神の表札が出ている。
 奥の客間に姉妹を通し着替える様に言うと俺達も一度其々の部屋に戻り着替えてからリビングに集まる。
 
 
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