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第3章 増えちゃった

　なにを隠そう、深夜の撮影会愛美の一番のファンは店長だった。俺には理解出来ないが店長にとっては顔もスタイルも変態な性癖もドストライクらしい。そんな理想の女が自分の店でヌード写真を撮らせてくれるのだ。「愛美さんが独身なら交際申し込むのに。」これが最近の口癖だ。亭主は単身赴任で一年は帰って来ないからものにしてしまえと唆しても首を縦には振らない。理由を聞けば「発覚したら愛美さんの家庭が壊れる」だそうだ。そのくせヌード写真は誰よりも近くで誰よりも多く撮っている。純愛路線なのか邪路線なのかはっきりされろ。俺に対しても生粋のロリコンゆえに本番はしないと確信しているらしく愛美が俺の奴隷と知っていても嫉妬すらせず俺の責めで傷付いたはだを見ると興奮するなどと言って憚らない。ある意味店長も筋金入りの変態だ。
　しかも商才もある。愛美のお蔭でかなり儲けている。まず愛美からのシヨバ代。いつも一日二時間位使っているので月三日で六万円。カメラ小僧たちからは会費は取ってない。皆芸術目的なのでそれで稼ぐ気はない。警察が風営法を拡大解釈してきても逃げれるようにしてある。無論無料というのは建前だ。参加者は「自発的に」三千円以上の買い物をして帰る。愛美には関係ない純粋な書店の売上だ。一回の撮影会に10人参加したとして月に10万円前後か。合計16万円以上。このお蔭で結構好き勝手させてもらってる。今日も我が儘言わせてもらい早引けさせてくれと頼んだら珍しく断られた。なんでも愛美から「今夜行きます。」とラインがきたそうだ。店長が撮影会に出ている間店員が居なくなる。仕方がない。19時から23時の間の中抜けで手を打つ。罠を張るのは土曜の夜だが今日明日の二日の間に他人にお持ち帰りされたら元も子もないから身辺警護するのだ。
　それにしても愛美が二日連続とは珍しい。三回しか使えないカードを後二十日近く残ってるこの時点で使うなんて。あっ！あれか。メールで愛美に指示を送ると店長に耳打ちする。
　「今日の愛美、凄いブラして来ますよ。しかも日頃の感謝の印に店長に脱ぐの手伝って欲しいそうですよ。頑張ってくださいな。」
　途端に店長の、鼻の下が三十cm伸びて見えたのは気のせいだろう。
　さて、結果から言うと京花はこの二日間も予定通り20時前後に剣道の自主稽古の帰りに神社のトイレに寄り三十分程
自家発電して無事に家に帰った。